239
Renaissance with The Renaissance Chamber Orchestra「Island」(『50TH ANNIVERSARY(ASHES ARE BURNING・AN ANTHOLOGY・LIVE IN CONCERT [Disc 1]』2021)
私の好きな第一期ルネッサンスの名曲(Jane Relf & Keith Relfの兄妹ヴォーカルが味だった)を、名人Annie Haslamが歌い、ゲストでやはり第一期のメンバーJim McCartyも加わるという豪華仕様に涙が止まらない。
アニーはもうだいぶお歳ですが、まだまだお元気な様子。YouTubeで“Daily Doug”っていうのをやってる方の番組にゲストで出てて、昔話を楽しく披露してたなあ。なんでも、もともと自分はデザイナー志望だったけど、デザイン事務所みたいなところに自分のアイディアを盗まれたり散々な目に遭った挙句に、シンガーとして見いだされることになっちゃったのよ……とか。
オリジナルはJohn Hawken先生による端正なクラシカル・ピアノが後半の聴かせどころでしたが、こちらもGeoffrey Langley氏のピアノとチェンバー・オーケストラの管楽器がゴージャスに盛り上げます。キース・レルフの遺産が歌い継がれているという事実だけでもうね。
なお、私は第二期Renaissanceも好きです。本作でも最初にとり上げられる「Carpet Of The Sun」のジェントルな美しさ、「Running Hard」の活気ある壮大さ――Kansasの大作と通じる感じ?――など、プログレッシヴ・ロックの美的側面を代表してくれていると思うのだね。