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"Fashist an di attack ,den wi countah-attack......"<Linton Kwesi Johnson>

中国メタル名曲紹介(4)黒豹楽隊

 少し迷いましたが、第四弾は黒豹楽隊Black Panther)といきましょう。

 【検索にそのまま使える簡体字表記は文末に】

youtu.be

 迷った理由は、狭義のメタル・バンドではないから。しかし、彼らの功績に触れないのも変だし、何より吾輩が初めて自分で買った中国ロックのアルバムは彼らの4thだったし……ということで、恩を返しておくことにします(?)。

 

1.黒豹「無地自容」(1stアルバム『黒豹』1991)

2.黒豹「別来糾纏我」(1stアルバム『黒豹』1991)

3.黒豹「我們這一代」(4thアルバム『黒豹Ⅳ――不能譲我的煩悩没有機会表白』1998)

4.黒豹「高興就来難過就走」(4thアルバム『黒豹Ⅳ――不能譲我的煩悩没有機会表白』1998)

5.黒豹「生活方式」(5thアルバム『黒豹Ⅴ』2004)

6.黒豹「I Don’t Want To Say Goodbye」(5th『黒豹Ⅴ』2004)

 <メンバー(1-2)>

竇唯(Vo)

李彤(Gt)

王文傑(Ba)

趙明義(Dr)

巒樹彬(Key)

<メンバー(3-4)>

秦勇(Vo)

李彤(Gt)

王文傑(Ba)

趙明義(Dr)

小波(Key)

<メンバー(5-6)>

秦勇(Vo)

李彤(Gt)

王文傑(Ba)

趙明義(Dr)

恵鵬(Key)

 

 彼らに関しては3「我們這一代」から入らせてもらいましょう。「中国ロック」に目覚めさせられた因縁の曲だからね。高校生ぐらいの頃にNHK教育テレビの「中国語会話」を何となく見てたら、日本人のバンドマンらしいおじさんが(この表現もたいがい失礼ですな――ファンキー末吉さんだったのですが当時はなんと存じ上げず)“中国のロックバンド”を紹介する、っていうコーナーになって、そこでこの曲のMVが流れたのでした。

 

 エネルギッシュな演奏、朗々としたヴォーカル、欧米ロックになじんだものにはユニークだった中国語の響き……「いい!コレイイ!」とすぐにハマる私。でね、当時は良い時代で、黒豹は日本盤が(JVCだっけ?)出てたのね。新星堂かどっかで小遣いはたいて買ってきて、まずはこれを再生ですよ。“♪我们这一代,不需要忍耐,世界已打开,一切会清白……”。オーソドックスながらスリリングなギタープレイにMark Reale先生(Riot)と同じものを感じた(のであろうか?)当時の私はあっという間にファンですよ。だから皆さんにもまず「コレ」を薦めるものであります。

 

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 この4thアルバムは(私見に過ぎませんが)名曲ぞろいでありまして、スタイルこそ少し古いハードロックですが、秦勇氏の歌唱力をストレートに生かした良心的ロックアルバム。全曲紹介したいのですがいくら何でも長いので、ラス曲の4「高興就来難過就走」を挙げておきますか。程よく疾走する8ビートのシンプルなハードロックなのですが、リフやバッキングもさることながら歌メロがよくて、なかなかの爽快感を与えてくれるのである。“♪每天都有新的理由使你无法拒绝去接受……”

 私はこういうふうに、アルバムを「爽」に締めくくってくれるのが好きなのだ。

 

 さて、さかのぼって調べてみると、黒豹はまさに中国ロック(バンド)の第一世代。ファーストアルバムは91年・92年というから大ヴェテランですな。1「無地自容」・2「別来糾纏我」はファーストの曲。当時はヴォーカリストが竇唯氏だったりとメンバーも一部異なりますが、やはりキャッチーでありながら力強いハードロックをやっていたんだなあ。

 

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 で、しばらくフォローもしてなかった2000年代中頃、中国旅行したときにCDショップで偶々『黒豹Ⅴ』を見つけて買ったのですな。前作からだいぶ間が空いてるけどどうなんだ?と思って、宿でポータブルCDプレイヤーに突っ込んでさっそく再生してみた。ちょうど一緒に旅行してた友人も部屋にいたので聴いてもらったんですが、彼は6「I Don’t Want To Say Goodbye」の英詩“♪I don’t want to say goodbye”が印象に残ったみたいでした。黒豹にはファースト所収の「Don’t Break My Heart」の如き名曲もありますが、バラードを英語で出してきたりするね。

 

 5「生活方式」の方はアルバムの冒頭曲、ダンス・ミュージック風の(?)モダンな音づかいにちょっとぎょっとしましたが、なんてことはない、やっぱり彼ら印の「本格的歌唱を軸に据えた骨太ロック」で一安心。ヴォーカルの秦勇氏は、私の知る限り、中国ロック界隈における歌のうまさではベストですね。(丁武や高旗も好きですが、彼らの歌唱には個性というかクセがあって、「正統的に上手い」というのとはちょっとちがう。)まあ、インプリンティングみたいなのもあるかもしれませんが(私が最初に聴いた中国ロックが秦さんの歌でしたから)……

 

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 秦勇さんはその後ほどなくしてバンドを脱退。黒豹のオリジナルアルバムも2013年まで出ないという事態に。ロックバンドは大変だよね。

 中国のメタル・ヘッズが黒豹をどう見ているのかよくわからない――たぶん、「メタルじゃねーよ」と思ってるんだろうけど……――ですけど、私にとっては恩人(達)、これからも注意していきたいと思います。

<続く>

簡体字表記】

黑豹乐队

ALBUM《黑豹》

SONG《无地自容》《别来纠缠我》

ALBUM《黑豹Ⅳ》

SONG《我们这一代》《高兴就来难过就走》

ALBUM《黑豹Ⅴ》

SONG《生活方式》《I Don't Want To Say Goodbye》