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"There is no wrong or right, and nobody's talking to anyone......"<Love Sculpture>

どんぱす今日の御膳109

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Nina Simone「Mississippi Goddam[Live]」(『THE REAL…NINA SIMONE(THE ULTIMATE NINA SIMONE COLLECTION)』2013)

 こちらは、映画評論家の町山智浩さんがラジオ番組で『What Happened, Miss Simone?』という映画の紹介をされたのを聞いて知りました。町山さんの解説は懇切なものでして、Nina Simoneの音楽的素養、活動期の社会背景、家庭内の問題、代表曲の魅力をコンパクトに教えていただきました。

 

 中でもこの“過激な”「Mississippi Goddam」は印象に残りまして、ぜひ手元に置きたいと思ってまずベスト盤を探しました。RCAというレーベルから出ている3枚組には、ラジオ解説に出てた曲がいろいろ入ってるようだったのでまずこれを。「Mississippi Goddamn」の他に、「Why?(The King of Love Is Dead)」や「Nobody’s Fault But Mine」、「Ain’t Got No/I Got Life」といった名作もまとめて聴けますし、シモンさんの名人芸“他人の曲をアレンジしてわがものにする”――Bob Dylan「Just Like A Woman」、The Beatles「Here Comes The Sun」、Richie Havens「No Opportunity Necessary, No Experience Needed」(Yesもやりましたね)、Hoyt Axton「The Pusher」(Steppenwolfがやったのが有名)などなど――も楽しめるお買い得盤。

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 「Mississippi Goddamn」(1964)は、後に“first civil rights song”とされるようになったともいいますが、ミシシッピアラバマで当時起こった人種差別に基づく殺人に対する怒りを表した曲。“♪Alabama’s gotten me so upset, Tennessee made me lose my rest, and everybody knows about Mississippi Goddam……”。軽快なジャズナンバーに載せて繰り出されるメッセージ。

 

 曲調は楽しいし、バックバンドもノリノリなんですが、詞の内容とのコントラストで却って不穏にさえ思えるという。パンクロックみたいに絶叫しなくてもメッセージは伝えられるし、不正への怒りはデスメタルみたいな強烈なサウンドでなくても表現出来る。“♪That’s it !”