オシビサ(Osibisa)の作品についての続きです。
Osibisa『OSIBIROCK』(1974)
- Who’s Got The Paper
- Why
- Osibirock
- Kelele
- Atinga Bells
- African Jive
- We Belong
- Komfo (High Priest)
- Kangaroo
- Home Affairs
<メンバー>
Teddy Osei(Sax, Flute, Perc)
Sol Amarfio(Dr, Perc)
Mac Tontoh(Trumpet, Flugelhorn、Perc)
Kofi Ayivor(Congas, Perc)
Jean-Karl Dikoto Mandengue(Ba, Perc)
Kiki Gyan(Key, Perc)
Paul Golly(Gt)
パーカッション主体の短いインスト「Atingua Bells」をはさんで、6曲目の「African Jive」はクールなジャズ・ロック。ホーンがリードして、かつあんまり湿っぽくならずカラッとロックするという風味で、何となくBob Downes(Open Music)を想起したりもしましたね。さっきの「Kelele」あたりは楽器の種類も少なめで、敢えてプリミティヴな味わいを醸し出していましたが、こっちの方は各パートの統制がとれ実によく構築されたナンバーとなっております。こういう対照的なものが同じアルバムに同居しているというのがいいなあ。英国ジャズ・ロック好きには、こちらが入り口となるでしょうか。
7曲目「We Belong」は、冒頭十八番のパーカッションが繰り出されますが、そこに重なるフルートやホーンが、やはりBob DownesやIan Carrあたりの英国ジャズを思い起こさせる。メインリフを奏でるフルートが美味しいなあ。2分50秒辺りでのオルガン・ソロとそれを受けて入って来るサックス・ソロも端正だ。
次に「Komfo(High Priest)」っていう曲が来ますが、これまたフルートが楽しめるやや落ち着いたジャズロック・ナンバー。インストゥルメンタル。ベースが地味にいい仕事してます。3分過ぎから三拍子になって加速する仕掛けもナイス。その後半はオルガンが大活躍だね。〔この辺りにKen Hensley(Uriah Heep)でも呼んで弾かせたら面白かったんじゃないかねえ。余談ですが、Uriah Heepには「High Priestess」(セカンドアルバム『SALISBURY』に収録)って曲もありましたな。べつに両曲に関係はないでしょうが。〕
9曲目は短めのファンキー・ナンバー「Kangaroo」(インスト)。跳ねる感じがカンガルーなんですかね?シンプルながらグイグイ来るベースラインと、お得意のパーカッションが心地好い。
“パンパカぱーん”みたいなフレーズで幕を開ける……「Home Affairs」が終曲となりまする。これも洗練されたジャズ・ロック風味。前半は、ホーンにギター、鍵盤まで一丸となったグルーヴが楽しめる。中盤はオルガンからフルートのソロへ回り、最終盤はホーンがせり出してきてフェイドアウト。
<続く>