1「Born To Lose」はねえ、まずEmerson Lake & Palmerの「Knife Edge」を陰鬱にしたようなベースリフでうねうね始まるのね。ドゥーミーな(スロウ&グルーヴィ)テンポをたたき出すWestmanがやはりすごいと思う。閔焔氏の声質がやや明るく(というか、張りがあって)熱い感じなのも微妙なミスマッチとなって良い、好い。5分50秒辺りのリフレインを合図に疾走パートに突入。ひとしきり盛り上げると、ラストスパートは、気怠いグルーヴの反復へ。なかなかにカラフルな9分14秒。そうそう、録音もよいなあ(録音・ミキシングはFu Boなる人物)。
どの曲もなかなか良いので3曲だけ選ぶのも野暮なんですが、「Wild Dog」(2)はYoutubeにスタジオでの演奏場面(+短いインタビュー)が上がってるのでお薦めしときます。楽曲は、このジャンルなら必須のヘヴィ・シャッフル、彼らにしてはシンプルな楽曲。細腕ながらタフなビートを叩き出すLinda Westmanがカッコいい。Nicola Mazzeiさんの這いずりベースとの相性もばっちりだ。映像では閔さんが曲の含意も語ってたりするので、ぜひご覧あれ。“♪Destiny brought us here, ready to fight, ready to die……”あ、このバンドは全編英詩です。
もう一つ「The Man Who Came From Mushroomland」(3)を挙げときましょう。“ストーナー”だっていうんですからね。怪しげなドンコドンコ・リフレインは、サイケデリックというか、一部のクラウトロック風でもあるなと。私は曲が始まったとたん、Amon Guru「Culture In A Small Room」を思い出してしまいましたが。〔どんぱす今日の御膳010〕