「O」で始まるグループに、こんなのがあったなあ……
後でそちらに話が移っていきますが、最初にこの人らの名前を目にしたのはUriah Heepの「Look At Yourself」という曲。英国ハードロックに(私が)のめり込みだした頃に愛聴したユーライア・ヒープ、その代表曲の一つにはゲストがいるのだと、ブックレットか何かの記載で知りました。ただそこでは「オシビサがゲスト」くらいしか書いてなくて、「オシビサって誰?人なの?バンドなの?」ってこともわかんなかった。70年代の人ならすぐわかる話なんでしょうけど、若造向けにブックレットは親切にお願いしますよう……いや、すみませんでした、自分で調べます。
オシビサ(Osibisa)っていうのは、“アフリカ出身者が構成、英国で活動したジャズ・ロックあるいはアフロ・ロック(ファンク)バンドである”というのが次にたどり着いた説明であった。うーん?「Look At Yourself」にジャズっぽいところとかあったかなあ……。再発盤の『LOOK AT YOURSELF』の詳細な英文ライナーなどを頑張って読むと、要するに「パーカッション」としてオシビサのメンバー数名がゲスト参加し、「Look At Yourself」終盤のパートを盛り上げておる、ということだったようなのね。時間がかかった謎解き。
Osibisa本体にも興味は持ちましたが、そう簡単にはCDを置いてる店が見つからなかったそのむかし。ヒープ一件から結構たってから、ようやく都心の大手輸入レコード店で次の作品を発見、購入して聴いたという次第。
Osibisa『OSIBIROCK』(1974)
- Who’s Got The Paper
- Why
- Osibirock
- Kelele
- Atinga Bells
- African Jive
- We Belong
- Komfo (High Priest)
- Kangaroo
- Home Affairs
<メンバー>
Teddy Osei(Sax, Flute, Perc)
Sol Amarfio(Dr, Perc)
Mac Tontoh(Trumpet, Flugelhorn、Perc)
Kofi Ayivor(Congas, Perc)
Jean-Karl Dikoto Mandengue(Ba, Perc)
Kiki Gyan(Key, Perc)
Paul Golly(Gt)
軽快なリズム+耳に残るホーン・リフ+賑やかな歌(“♪Who’s got the paper?”“Who’s got the match?”“I got the match.”を繰り返す)、のファンキーな1曲目。こういうお祭りっぽい曲が続くのかな、と思っていると、次曲はしんみりと聴かせるオルガンが美しいメロウなバラード。ポンポン、ポコポコと表情を変えて鳴るパーカッションも良い味。そしてこの曲では、TontohさんやOseiさんのホーン・ソロが楽しめます。なんてまったりしていると、3分10秒過ぎあたりから、ギターやドラムも加わってのファンク・モードに突入。ゴリーさんのギターソロもいいよ。
3曲目は、ベースラインが心地好いファンキーなアルバムタイトル曲「Osibirock」。“♪Osibirock~!”っていうのがサビなんだけど、造語なのかな。この曲は歌詞にしても音像にしても「ロック」っぽい。
その次は、擬似ライヴ(かな)の「Kelele」。冒頭にパーカッションソロが披露され「おおっ」と聴き入っていると、“♪Kelele, kelele, a wo a wo, kelele”っていううたが入って来る。ライヴ仕立てなので、「お客に歌わせる」ような演出も有り。中間部分ではパーカッションが大フィーチュアされたあとに、また合唱。アフリカンなテイストというのがこういうものなのかは断言できかねます(勉強不足で)が、英米独仏のロックではちょっと聴けない味わいなのは確か。
<続く>