A:やあ、こんにちは。今日は「1964年の音楽」っていうテーマで話してみたいんだ。
B:「年」で区切る意味は何かあるの?
A:うん。その時代にどんな音楽が出てきたのかを、時系列に見てみようと思ったんだ。1964年におこったできごとも一緒に振り返ってね。
B:どんな時代背景の中でそうした音楽があらわれていたのかを、追体験(?)してみようというわけね。
A:そう。まあ、わたしの知ってるものは限られるから、網羅的なものにはならないけどね。
B:でも、面白そう。やってみましょう。
A:それで、どこをスタートにしたらいいか、ちょっと考えたんだけど。1964年の2月には、Bob Dylanのアルバムが出ているから、そこからにしましょうか。
B:64年2月は、『THE TIMES THEY ARE A-CHANGIN'』よね。
A:そう。ボブ・ディラン3枚目のアルバム。邦題は、『時代は変る』だったね。さっそく、表題曲を聴こうか。
B:さすが、名曲よねえ。私はこの曲、Billy Joelのカバーで先に聞いたわ。
A:ビリーがソ連ツアーに行った時の、弾き語りだよね。
B:ビリーがギターを弾いてたのも新鮮だった。あのときビリーはソ連の聴衆に向けて、この国で今起きていることは、60年代によく似ている、って言っていたんだけど。
A:きっと、変革の時代を迎えているところだね、って言いたかったんじゃないのかな。実際にボブ・ディランのこのアルバムとともに迎えた1964年には、いろんなことがあったんだ。
B:そんな歴史上のことも少しずつ追っていきましょうね。
A:カレンダーを追ってみると、今度は4月にThe Rolling Stonesがアルバムを出すの。
B:デビューアルバムになるのかな。
A:うん。それで、いま見直すと、曲目にはカバーがかなり多いんだ。
B:Muddy WatersやBo Diddley、Chuck Berryのカバーなどだね。オリジナル曲はなんだったっけ?
A:ミックとキースが書いたのは、Tell Meとかだね。じゃあ、これを聴いてみようか。
B:あら、この曲はシングルバージョンとアルバムバージョンがあるのね?
A:そうなんだ。いま聞いたのはアルバムバージョンで4分あるんだけど、シングルは3分もないんだ。まあ、シングルを短くするっていうのはよくあったからね。あと、この曲ではピアノでIan Stewartが参加してるんだ。
B:なるほど。ローリングストーンズがビートルズを追ってアルバムデビューしたのがこの時だったのね。
<続く>