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Alta Reign「Witness」(『MOTHER’S DAY』2021)
久々にメタルに行きましょう。だが、このバンドに興味のある方がどれほどおられるか……
Alta Reignはまだアルバムを一枚しか出していませんが、私にはとても気になることがありました。それは、ドラマーです。このバンドのドラマーはJeff Plate氏なのであります!
ピンときませんか。そうですか。ジェフは、アメリカはフロリダをベースとする正統派/パワーメタルの山の魔王Savatageのドラマー(Steve Wacholzの後任)なのですよ。ただもう何年もSavatageが動いていないので、何をしてるのかわからなかったんですよね。Trans-Siberian OrchestraやMetal Churchでプレイしてることもあったようなんですが、後者からは脱退したようですし、前者は仕掛け人のポール・オニール氏が亡くなってしまったので、いよいよジェフ・プレイトのドラミングを聴ける「もの」がなくなっちゃったんですよ。
個人的には、はじめて出会ったSavatageの作品が『JAPAN LIVE ‘94』だったせいもあって、スティーヴ以上にジェフに思い入れがあるのよね。派手でテクニカルなタイプじゃないけど、サヴァタージの重厚な楽曲をうまいこと支えてる感じが好きだった。そんなJeff Plateが元気でやってるときいて矢も楯もたまらず、メタル専門店に走るわけですよ。今買っとかないと二度と手に入らなそうだしさあ。
で、作品ですが、Savatage風味もあるパワーメタルでした。ドラミングは、「おう、これこれ」っていう安定感。展開やリフの凝った曲もSavatage風といえばそうですが、ヴォーカルはあそこまで個性的というかガッツィーではない。パワーメタル向けというよりは、InsideOutレーベルとかの現代プログレ辺りで聴けそうなヴォイス(よくいえば。メタルというにはちょっとパンチが効いてないのかも)。
いまこういう音を出してるバンドは多いわけじゃないから頑張ってほしいですが、どうなるでしょうね。とにかくジェフには現役でいてほしい、ですね。