(11)Kevin Ayers「Guru Banana」(1975)
これも変な曲かなあ。「バナナ導師」って……?
さすがKevin Ayers、このへんてこセンス、でありながら妙にキャッチーな曲。1975年のアルバム『SWEET DECEIVER』の2曲目に収まっております。ちなみにこのアルバム、ジャケットがなんだかちょっと怖いんだけど、ケヴィン自身もあんまり気に入ってなかったみたい。
さて「グル・バナナ」ですが、ケヴィンのトボけたヴォーカルに味があるのはもちろんですが、ボンボン跳ねる不思議なノリを作ってるFreddie Smith(Dr)とOllie Haircut(Ba, Vo)がまず巧い。(Ollie Haircutというのは、英国ロック史に名を残す名手Ollie Halsall様の変名であります。)ビートルズの「When I’m Sixty-Four」のごとく全編をリードするClarinetはJohn Altman氏、それに……え、ピアノがElton Johnなの?いけね、チェック忘れてた。エルトン・ピアノも結構活躍してますな!
私はKevinとOllieの組み合わせでいうと、「Didn’t Feel Lonely Till I Thought Of You」(1974年の『THE CONFESSIONS OF DR. DREAM AND OTHER STORIES』に入ってる)が好きでしてなあ。オリー・ハルソールの天才的変態ギターソロが聴けるのだ。
さらにYoutube上にはなんと、OllieとAndy Summers(The Policeでお馴染み)をデュアル・ギターで従えたケヴィンがこの曲(「Didn't~」)を歌ってる映像(1981年のスペインのTV番組)なんてのがあったりします。当時まだポリスで活動中のアンディのプレイも脂がのってて素晴らしいんですけど、オリーのフレージングはいわゆる「ギター」の枠を超えてますわ。ぜひ御覧なされ。あ、左利きの方がオリーね。