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"Fashist an di attack ,den wi countah-attack......"<Linton Kwesi Johnson>

どんぱす今日の御膳374 Saxon

374

Saxon「Killing Ground」『KILLING GROUND』(2001)

 え、これ紹介してなかった?それどころかSaxonにもこれまで言及してない?……こんなんじゃ、メタルファンの風上にも置けませんでしたねえ。では、とりあえずMVをご覧下さい。

 

youtu.be

 私は2001年当時、この曲のヴィデオを伊藤政則ROCK CITYで観て、感激し、一気にサクソン派に宗旨替えしたのであった。政則さんは当時の新作ヴィデオ(Saxonのこれね)を紹介するにあたり、「サクソンもさあ、モーターヘッドと同じだよね、岩石ロック。素晴らしいよね」(大意)と仰っていた、ように記憶。“岩石ロック”って言葉がムチャクチャ印象に残ってて、「いや、岩石岩石、ロックロックになっちゃうんじゃ?」というツッコミを入れんとする間にこの最強の楽曲が放映されまして、もう脱帽ですよ。バンドと政則さんに。たしかにこりゃあ「岩石ロック」だよなあ!

 

 Saxonの名前はそれまでにも知ってました。ベスト盤も持ってて、80年代の有名曲はひととおり聴いてたと思います。でもたぶん、魅力がよくわかってなかったんですよ、このヴィデオを観るまでは。ゴリッゴリ…のようでいて実はしなやかなリフとリズム、押しと引きで聴衆の心をつかむ組み立て、そしてフロントマン・Biff Byfordの圧倒的な存在感。ビフは当時50歳くらいだったはずで、その頃の感覚ではもう“おじいちゃん”と(こっちは勝手に)みていたのですが、真正面からそのマヌケな認識を破砕されました。円熟とか貫録とかいうだけでないメタル的な「熱さ」が確かにある。バンドメンバーもそれは同じで、おじさんの集団であることは間違いないにもかかわらず、80年当時と繰り出すことが変わっていないのは驚異でした。Judas PriestIron Maidenもスゴイけど、この点で一番ショックを与えてくれたのはSaxonだったと思います。

Killing Ground, プライマリ, 1/2

 2000年代前半の私は、衝撃を受けた新譜はちゃんとCDをリアルタイムで買って聴いてたんだよね。『KILLING GROUND』。タイトル曲しか知らずに買ったんですけども、他のナンバーもイイ。語りまくってるとスペースがなくなるから頑張って短くしますけど……メタリックな路線では「Dragon’s Lair」や「Deeds Of Glory」あたりの強靭さに襟を正されますし、軽快な(彼らにしては)「Coming Home」、彼ら十八番の“ロック賛歌”「Rock Is Our Life」といったポップな面も味わい深い。

 

 そしてプログレ好きには堪らないのが「Court of the Crimson King」(クレジット通り)、勿論King Crimsonのカヴァーです。おなじクリムゾンのファーストからでも、「21st Century Schizoid Man」は多くのロックバンドがカヴァーしましたが、こっちを選ぶとは筋金入り。しかも、ちゃんと自分たち流のアレンジを練り上げた傑作に仕上がっているのであります。メロトロンやフルートが無いなんて!と嘆く事勿れ、「そう来たか!」と膝を打つナイスHRに仕立てているのは、原作への愛があるからとみた。もうね、こういうリスペクトの振る舞いを見ただけでSaxonが好きになるね。

youtu.be

 あ、遅れましたが当時のメンバーはBiff Byford(Vo)+Paul Quinn(Gt)+Doug Scarratt(Gt)+Nibbs Carter(Ba)+Fritz Randow(Dr)。オリジナルメンバーのビフとポール、それにテクニカルなギターもこなすダグ、ステージアクションも凄いニブス、ドイツのベテランであるフリッツという、強力ラインナップ。ドラム好きとしてはサクソンの歴代ドラムは要注意で、Pete Gillの突進力、柔軟さも備えたNigel Glockler、フリッツの後に着任するマシーンJörg Michaelなど凄腕揃いなんですが、このアルバムでのFritz先生のプレイは素晴らしいと思います。感激しすぎた私は、Eloy(ドイツのプログレ)にすら関心が向かったというね。

 

 Saxonの凄さはその後二十年以上たってもまだまだ現役なところ。Paul Quinnはツアーからは退いたそうですが創作には引き続き参加しているし、その代わりのライヴ・プレイヤーには(気が付けば)Diamond HeadのBrian Tatlerが収まってたりするしね。いつまでも岩石転がり続けてほしい(?)です。