なんでバンド名(Narita)買いしたかは、当ブログを継続的にご覧の方はお分かりかと思います。私がRiot信者だから。中古CDのフェア(ワゴンセールみたいなの)が学校の生協であったときに、『ナリタ』っていうアルバムがあって、「なんだこれ?」と思ったわけだ。
スマートフォンなんか無い時代のことですから、情報を調べる手立てもないですし、翌日にはフェアは終わってしまいます。千円くらいだったと思いますが思い切って買って、あとからいろいろ調べたの。買って正解だったことは先回の楽曲感想でお示ししたと思いますけども。
Henrik PoulsenさんがStonehengeというバンドを結成したのが1988年のこと。それからメンバーの固定、デモ制作、売り込みを経て、ドイツのSharkレーベルとの契約に至ります。またバンド名を、Riotのセカンドアルバム『NARITA』(名盤!)にちなんでNaritaとします。
91年にUlrich Pösseltのプロデュースでレコーディングを開始しますが、メンバーチェンジが重なるなど録音はスムースではなかったようです。同郷デンマークのJackalというグループ(これまた名バンド)のBrian Richに参加してもらうことで、ようやくアルバム完成にこぎつけました。(以上は、『NARITA』日本盤の藤木昌生さんのライナーノーツによります。)
あとこれはたったいま気づいたんですが、クレジットによると『NARITA』のカヴァー・アートとロゴを手掛けたのはEric Philippeさん。メタル界隈では名の知られたアーティストですが、ナリタがそうだったとは知らなかった。
私の手持ち品の中では、Artension『SACRED PATHWAYS』とか、At Vance『NO ESCAPE』、Dream Child『TORN BETWEEN TWO WORLDS』、John West『EARTH MAKER』、Ring Of Fire『DREAMTOWER』、Sonata Arctica『SILENCE』なんかを手掛けられていました。
そして忘れられない、Riot『SONS OF SOCIETY』。このアートワーク、Riotがリリースした当初(1999年)は評論家筋から非難されてたと記憶しますが、たぶん今だったらむしろ受けるんじゃないですかね。そうか、NaritaとRiotに曲名拝借以外に接点(?)があったぞ!Riotの側は何にも知らんと思いますが。(それとも、まめな人Mark RealeはNaritaっていうバンド名の奴らがいたってことくらいはチェックしてたかな?)
ところで、デンマークといえばRoyal Huntですが、彼らとも縁は深い。このファーストアルバムのThanksリストに、「Royal HuntのAndreとSteen」が入っていますし、逆にRoyal Huntのファーストアルバム『LAND OF BROKEN HEARTS』(1992)には欠員だったギタリストの座をカヴァーするゲストの一人としてMac Gaunaaが参加していたりもするのです。
Macは、後にAndre Andersenのソロアルバム『CHANGING SKIN』(1998)にも参加してます。MacはNaritaが活動を停止した後、音楽から足を洗ってしまいますが、2004年には元Royal HuntのJK(Jacob Kjaer)及び元Prime TimeのTonni RahmとGuitar Stewというギタートリオで『JIM & JAM』っていう作品を出したりもしてます。
さらに、いま名前を出したPrime Timeっていうのは、Narita後にHenrik Poulsenが立ち上げたプロジェクト/バンドだったんですが、そのファーストアルバム『THE UNKNOWN』にはAndre Andersenがキーボーディストとして全面参加。ロイヤルハントとナリタを合わせたようなドラマティック・メロディック・メタルをEduard Hovinga(元Elegyの名シンガー)が歌うという良作を生み出しています。
この辺の周辺作品も頑張って集めたので――一番苦労したのはNaritaのセカンド以降のヴォーカリストKennyLübckeが参加してたZoser Mez――いずれ、どこかで扱いたいものです。
<続く>