(2)Asterix[Lucifer's Friend & The German Bonds]『ASTERIX』(1970、Germany)
ドイツ初期ハードロックを牽引したLucifer’sFriendという名バンドがありますが、その前身。メンバーはほぼ同一で、John Lawton(Vo)・Peter Hesslein(Gt)・Dieter Horns(Ba)ら。私が持っているのは1998年再発盤で、オリジナルとは異なり冒頭にボーナスが2曲(シングル曲らしい)入っている。1曲目「Everybody」・2曲目「If I Could Fly」のヴォーカルはGeorge Monroeという人。3曲目「Look Out」が『ASTERIX』のオープニングナンバー。オルガン入りのハードロックで、なるほどLucifer’s Friendにつながるものがありますな。このバンド、ツインリード・ヴォーカルみたいで(珍しい?)、John LawtonとTony Cavannaが双頭で歌ってる。二人とも楽曲にクレジットがあるので、曲作りの段階からそういうスタイルだったのですかね。
4曲目「Gone From My Life」の重厚感。間奏のジャジーなピアノ・ソロがクール。ハードロックなのに中間で急にジャズ気取りになるのというと、私などはSpice(Uriah Heepの前身)の「Magic Lantern」などを思い出すね。この他の曲でも、キーボード(ピアノ)がけっこう引っ張る場面が多いですね。次のヘヴィな「Broken Home」は二人のパートがはっきり(分担)してきてて、ダブルヴォーカルが有効に。
「Change In You」など、英米のハードロックに学んでるふしも見え隠れしますが、ヴォーカルパートも含め重厚感とリズム的な工夫で個性を出そうとつとめている様子が感じられて素敵。Lucifer’s Friendが優れたバンドとなっていく素地は既に垣間見えます。ラストは本作中最長(7分弱)の英国プログレ風「Morning At My Dawn」で幕。
バンド名が改まったLucifer’s Friend『LUCIFER’S FRIEND』はヴォーカルがJohnのみになり、焦点も絞れて強力なハードロックになって参ります。冒頭3曲「Ride In The Sky」「Everybody’s Clown」「Keep Goin’」をどうぞお聴きくださいね。そしてなんと彼らは、現在もJohn, Peter, Dieterを中心に活動中でございますよ。