<古典発掘編>
今はなき新宿Disk Heavenの思い出を語りきっておこうというわけで、もうちょいとお付き合いください。くだんの店は、実はオールド(?)ハードロックの珍しい品も結構置いてありました。ふるいHR/プログレ好きの私など、「なんでこんなものが?」と驚きつつ買っちゃったこともあってね。やはりアルファベット順に並べていきましょう。
(1)Alan Lancaster『LIFE AFTER QUO』(1996、UK)
これを見かけた時は吃驚した。こんな作品があったことも知りませんでしたのでね。英国ハード・ブギーの最強バンドStatus Quoのオリジナルメンバーだったベーシストのソロアルバム。タイトルにもあるようにQuo脱退後の作品を集めたものですが、半分がThe Bombersというバンドでの音源、残りがThe Party Boysというバンドでの音源。
1曲目はMichael Lunn作詞作曲の「Flash In Japan」。歌詞カードを読んで、「ああ、これは原爆がテーマなんだ……」とは気づいていたのですが、邦楽無知の間抜けな小生、矢沢永吉さんの楽曲(シングル・アルバム収録)だということはいまのいままで知りませんでした。Alanが矢沢ファンなのかどうかは不明ですが、1990年にThe Bombersというバンドからシングルでも出していたようです。
The Bombers音源は他に「Is This The Way To Say Goodbye」「She's A Mystery」「No Danger」「Don't Come Easy」「City Out Of Control」を収録。80年代風のポップなハードロック、かな。Status Quoっぽくはないです。「Don’t Come Easy」の爽快な疾走感と、それを演出するAlanの8ビートベースプレイイングが心地好い。「Flash In Japan」のシングルB面でもあった曲らしいです。あと、AC/DC風味の重厚な長尺ハードロック「City Out Of Control」もいいねえ。
The Party Boys(バンドとしてはこちらの方が古い)音源は「He’s Gonna Step On You Again」「Hold Your Head Up」「Gonna See My Baby Tonight」「It Could’ve Been You」「Gloria」「High Voltage」。Argentの「Hold Your Head Up」(Uriah Heepも好んでやってたなあ)、Van Morrison作の名曲「Gloria」(初期Status Quoでもやってた)、同郷――言い忘れてましたが、AlanはQuo後はオーストラリアで活動してたの――AC/DCの「High Voltage」など、元気なカヴァー集と、オリジナルソングスから構成。アラン作曲の「It Could’ve Been You」は、Colleen McCullough原作『AN INDECENT OBSESSION』という映画のテーマソングだったそうです。