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"嘘八百 is not a metaphorical expression in our country."

第40回「“HEAVEN & HELL”」(17)

10VARIOUS『涅槃神楽(VHS)』2001JP

 本特集にひと区切りをつける最後の作品はこれだ。『涅槃神楽:和風鋼鉄音楽活動絵草子集』Mandrake RootレーベルからのVHS五人一首「楼の主(導入部)」「経文刻印身体」、陰陽座「百の鬼が夜を行く」「がいながてや」、人間椅子怪人二十面相」「黒猫」「針の山」、Gargoyle「懊悩の獄」「“ぎ”」「曼陀羅の民」という曲目とタイトルでおわかりの通り、「和」っぽいメタルをやってる連中が集って行ったイヴェントの実況です。開演前の前口上はGargoyleKibaVo)が披露。

 

 これを買った当時の私は人間椅子をほとんど知らず(!)、「白塗りのベーシストと変なヘルメット被った宇宙人ギタリストがやってるこれ何?『怪人二十面相』っておもしろいけど」状態(失礼)。後藤マスヒロ氏がドラムを務めているわがフェイヴァリットラインナップなのにね……この時の人間椅子のナンバーだと「黒猫」が重要。陰陽座に黒猫というシンガーがいて共演になるから、かどうかはわかりませんが、往年のプログレッシヴ・ドゥーム名曲を再現。“♪春のうららの風に 涅槃の薫りがそよそよ”。そしてヴィデオでは必殺「針の山」(BudgieBreadfan」の和語カヴァー)で締めくくり。

 
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 五人一首変拍子決めまくりにもびっくりしたね。リーダーのMomotaさんの鍵盤捌きにも惚れ惚れしたけど、何拍子か混乱するような曲でリズムギター弾きながら歌ってるMatsuokaさんにも呆然。そういえばむかし、どこかで(私の入っていたアマチュアバンドが)対バンしたお相手の一人が、「今は五人一首が好きだね」と仰ってたなあ。

 

 陰陽座は、(当時ね)二番目に観たかったバンド。比較的ストレートな疾走ナンバーと、彼らお得意のお祭りソングの組み合わせ。コンセプトがしっかりしているのでやはりステージは映える。乾いたスネアの音を核とした斗羅(当時)さんの端正なドラミング、私は好きでした。

 

 一番観たかったのはGargoyleだったのですよ。セカンドアルバム『檄』からのファストナンバ―「懊悩の獄」、ファースト『禊』からの「“ぎ”」、当時の最新作FUTURE DRUGからの「曼陀羅の民」と、とりわけ「“和”度」の高いのを選んでいる印象。四組の中では最も古株だけあって、堂々たるステージングでした。私はやはりドラムに目と耳が行くのですが、“速くなればなるほどに安定する”などと称されたKatsujiさんのドラミング、堪能させてもらいましたわ。

 

 こういういい作品はDVD化してほしいものだが、難しいでしょうかなあ。ともあれ、コレに出会うことができたのも新宿のHeavenだった筈。その思い出の地がなくなってしまったというのは、かなしいものですなあ。


<国産メタルとの邂逅編>完