(11)Rick Renstrom『UNTIL THE BITTER END』(2003、USA)
さてお次は、Rob Rock(Impellitteriでの仕事が有名なヴォーカリスト)のアルバム『EYES OF ETERNITY』(2003)に参加していたギタリストRick Renstromのソロアルバム。『EYES OF ETERNITY』アルバムでは、Bob RossiとRickの二人が(ゲストを除いて)プレイしていたのですが、いずれもなかなかのソロを弾いていたので、気になっていたのです。
このアルバムは、所謂ネオクラシカル速弾きを得意とするリックのインスト作品を主にしつつ、合間にゲストを招いての強力な歌入りナンバーも散りばめたものとなっております。まず楽器隊がツワモノで、ドラムがRichard Christy(DeathやIced Earthでプレイ)、ベースにStephen Elder(『EYES OF ETERNITY』で共演)他、キーボードにFerdy Doernberg(Axel Rudi Pellなど)やMistheriaが参加。そしてヴォーカルにRob Rock、Mat Sinner(Sinner、Primal Fear)、Wade Blackですからね。
タイトル曲「Until The Bitter End」などの疾走感あるインスト、モーツアルトの交響曲「Symphony #40」のカヴァー(?)等々の器楽曲も楽しめますが、マット・シナーの歌う「Calling OF Vengeance」、ロブ・ロックが歌った「Kingdom For Ransom」「Victim’s Paradise」「The King」、ウェイド・ブラックによる「Towers Of Babylon」といったところがやはり強力。
ちなみに、Wade、Rick、Stephen Elder、Richard Christyの本作参加の面々にEmo Moweryを加えた五人衆は2004年にLeash Lawというバンドとしてアルバム『DOGFACE』を出しました。こちらはパワーメタル風味強め。暑苦しいのは問題ないですが、ところどころWadeの音程が不安定なのが気になるといえば気になる。Rickたちはしっかりソロを決めています。
(12)Rival『MODERN WORLD』(2001、USA)
棚としてはアメリカがやっぱり広かったように思いますが、そういう中だと偶然のヒットは少なくなります、かね。Rivalというバンドも事前には何にも知りませんで、店が付けていた「Riotタイプ、正統派」みたいな文句におどらされて買ったのであった。「モダン・ワールド」なんていうタイトル名が若干不安ではあったのですが……モダン・ヘヴィネスだったら興味の範疇外だし……しかし、これは店の宣伝の通り。Riotっぽいかというと、ヴォーカルJohn Johnsonの声質が独特なので「違うだろ」という感じなのですが、やってるのは確かにオーソドックスなパワーメタルで、こういうのは好き。
インディ制作なので音質等々はそれなりですが、勢いある演奏からは「やりたくてやってる」感じが伝わってきて微笑ましい。冒頭の「Modern World」のパワー、次の「Half Alive」のスピード感とかね。ゴリ押し感も強い(武骨というか……)ですが、こういうのがむしょうに聴きたくなるときもありまさあね。よって、これはアタリの側に含めましょう。
<続く>