DON'T PASS MUSIC BY

"Secrets are fun to a certain degree, but......"<Jake Holmes>

第36回「You Really Got Me大特集」(18)

 もう終わりにしようと思っていたんですが、偶々もう一品入手がかなってしまったので、その件も申し上げます。
 
 Dave Daviesのライヴ盤をこれまで三つ紹介しましたが、一つは1997年の演奏、一つは1999年の弾き語り、一つは2014年のものでした。今回ご紹介するのは、それらの間の時期のものです。20046月、ドイツのポツダムで行われたThe Stadtwerke Open Air Festivalに出た時の音源とのこと。比較的小さなクラブでの演奏である上述作品群とはちょっと雰囲気違います。
 
29Dave DaviesRAINY DAY IN JUNE2004)版
1. Transformation (Intro)
2. Till The End Of The Day
3. I Need You
4. Creeping Jean
5. Blues
6. You're Lookin' Fine
7. Tired Of Waiting For You
8. Set Me Free
9. See My Friends
10. Last Of The Steam-Powered Trains
11. Dead And Scat
12. Death Of A Clown
13. Bug
14. Living On A Thin Line
15. All Day And All Of The Night
16. I'm Not Like Everybody Else
17. Twist And Shout
18. You Really Got Me
メンバー
 Dave DaviesVo, Gt
 Jonathan LeaGt
 Derrick AndersonBa, Cho
 Simon DaviesDr
 
イメージ 1

 

 ドラマーはDaveのご子息Simonさん。リズム・ギターのJonathan Lea氏は2014年のライヴでもサポートを見せる人。気心知れた面々とのステージってこともあるでしょうが、Daveさんの元気なこと。冒頭の「Till The End Of The Day」「I Need You」からハイテンション。「Creeping Jean」は、他ヴァージョンよりもスライド・ギター(Leaさんが弾いてるのかな?)が印象に残るテイク。短いインスト「Blues」(「A Gallon Of Gas」風)を挟み、得意の「You’re Lookin’ Fine」へ。
 
 このアルバムの良いところは、(他作品もだいたいそうですが)DaveMCがきっちり収められていること。「楽しんでるかい?」とか「今日選んだキンクス・ソングは、俺が特に好きな奴なんだ」とか、「なんかリクエストある?」とか……大きなステージでもいつもと変わらぬ調子のデイヴは、やっぱりロック・スターですな。
 
 「Tired Of Waiting For You」「Set Me Free」「See My Friends」の初期名曲集を丁寧に演奏しているところなんか、「デイヴは兄貴とあんまり仲良くないらしいけど、レイの楽曲はやっぱり愛してるんだなあ」と和めること請け合い。ちょっとレアなのが、「Last Of The Steam-Powered Trains」。The KinksTHE KINKS ARE THE VILLAGE GREEN PRESERVATION SOCIETY1968)に入ってる、オールド・ブルーズ調の一曲。「きかんしゃ やえもん」みたいな歌詞で渋いんですが、キンクスでもたぶんライヴじゃやってないんじゃないかな。これを演るあたりさすがデイヴだぜ。
 
 この辺りまで聴いてくると、バックバンドの味わいがだいたいわかりますが、凄く丁寧な感じですね。Simonのドラミングも堅実。「Dead End Street」風のスキャットDead End Scat」をサラッとやってから、デイヴの名刺と言って差し支えない「Death Of  A Clown」に。その後で当時の新曲「Bug」を披露しますが、中間部分にラップ調の語りがちょっと入っていたり、こうして聴くと結構面白い曲。次の「Living On A Thin Line」はデイヴ作の名曲。
 
 ファイナルパートは必殺「All Day And All Of The Night」から、大好きなんだねコレの「I’m Not Like Everybody Else」。「君は他の誰かとおんなじかい?俺は他の誰かとは違うよ」と啖呵を切って(?)始まるのが最高。冒頭に長めのギターソロをフィーチュアするのもお約束。その次がちょっと意外な「Twist And Shout」。本人は「俺の好きなオールディーズ」とか言ってますし、違和感はないのですが、キンクス時代も含めて人前でやったことはほとんどなかったんじゃないかと。演奏はちょっと粗い感じで、ひょっとするとサプライズ選曲(バンドメンバーにとっても)だった可能性有り。
 
 そしてラストが「You Really Got Me」になるのは言わずもがな。オリジナルに忠実なのはSimonのドラミングだけではなくて、Daveのギターソロも(比較的)原ヴァージョンに近い。やっぱり「アノ」フレーズをやってくれると嬉しいね。2004年は、「You Really Got Me」シングルリリースから四十周年でした。
 
ちなみにアルバムタイトルになっている「Rainy Day In June」というのは、The Kinks4作目FACE TO FACE1966)に収録されている楽曲。別にDaveの作曲ではないですし、このポツダムライヴでも演奏されてはいないので、単に「6月、雨の日のライヴだったね」ということで引き合いに出されたんでしょう。キンクスの「Rainy Day In June」はほんのりサイケがかった不思議な曲ですが、ここでタイトルに引用されるまで(わたくし)存在を忘れてた。
<続く>