DON'T PASS MUSIC BY

"Fashist an di attack ,den wi countah-attack......"<Linton Kwesi Johnson>

第36回「You Really Got Me大特集」(5)

8The KinksTO THE BONE1994/96)版
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The KinksTO THE BONE1996*二枚組版
Disc 1
  1.All Day And All Of The Night
  2. Apeman
  3.Tired Of Waiting
  4.See My Friends
  5.Death Of A Clown
  6.Muswell Hillbillies
  7.Better Things
  8.Don’t Forget To Dance
  9.Sunny Afternoon
  10.Dedicated Follower Of Fashion
  11.Do It Again (Acoustic)
  12.Do It Again
Disc 2
  1.Celluloid Heroes
  2.Picture Book
  3.Village Green Preservation Society
  4.Do You Remember Walter
  5.Set Me Free
  6.Lola
  7.Come Dancing
  8.I’m Not Like Everybody Else
  9.Till The End Of The Day
  10.Give The People What They Want
  11.State Of Confusion
  12.Dead End Street
  13.A Gallon Of Gas
  14.Days
  15.You Really Got Me
  16.Animal [new song, studio recording]
  17.To The Bone [new song, studio recording]
 
 90年代に入って発表されたオフィシャル実況盤。CD一枚ものと二枚組がありますが、ファン泣かせなのは一枚ものにしか入ってないのがあること。私は二枚組を購入して愛聴していたのですが、「Waterloo Sunset」と「Autumn Almanac」は入っていないという。
 
 レイの説明によると、「いわゆるアンプラグドと、必殺ロックソング(電気使用)を組み合わせた」作品。「All Day and All of the Night」を、ヘヴィ・メタル同然の激しさでぶちかました(30年前の曲ですぜ?)あと、いきなり狭い室内で演奏してるみたいな「Apeman」の牧歌的ヴァージョンになる。かと思うと、アコースティック・ブルーズ調の「A Gallon Of Gas」から60年代の名曲「Days」と、落ち着いた雰囲気になるのかなと思うと、エンディングに「You Really Got Me」をこれまたONE FOR THE ROAD以上のテンションで演り、聴衆に叫び声をあげさせる、という。くどいようですが「30年目」ですからね。ちょうどこの頃来日もしているとのことですが、後追いの私(当時は中学生)は知る由もなく……無念である。
 
 ラインナップは、レイ・デイヴ・ジム・イアンに、Bob HenritDr)。ボブさんもジムと同じく、かつてArgentに居た、英国ロックのベテラン。安定感とキレはミックさん以上かな。「Do It Again」という曲があるのですが、この曲のドラミングなんかは実に見事ですよ。
 
9The KinksSHINDIG!VHS)版
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 最後に映像を一つ。60年代の「動くキンクス」を観ようと思ったらこれくらいしかなかった。アメリカの「シンディグ」という音楽番組に出たThe Kinksの演奏場面を集めたもの。白黒。スーツなんか着ちゃって(笑)びしっと決めたキンクスのオリジナルメンバーがヒット曲を演奏。ものによってはステージ後方でダンサーのお姉さんが乱舞(?)してる“時代を感じさせる”映像。「You Really Got Me」やら「All Day and All of the Night」やらを元気にやってるのですが……「ミックってレギュラーグリップだったのね」とか「ピートのベースの位置高いな」とかいろいろな発見が出来ます。
 
リードシンガー・作曲者・ギタリストであるレイの存在感はさぞ大きいだろうと思ってヴィデオを再生した私が意外だったのは、ヤングDaveのロックスター振り。別に過度にカッコつけてるのではないんですが、明らかにレイよりデイヴに目が行くようになっちゃいます。(おそらくレイの計算もあるでしょうね。彼は別に目立ちたいと思う人じゃないので。)おすすめ映像は、そのデイヴの歌う「I’m A Lover Not A Fighter」。甲高い声で楽しそうに歌うのはいいんですが、フライングVのギターの、Vの谷間から手を出して弾いてんのはなんなんだよ(笑)、と楽しめること請け合い。何度か引用した『ザ・キンクス ひねくれ者たちの肖像』に附属のフィルモグラフィの項でも山名昇さんが「それにしても、デイヴがフライング・VVの谷間から手を出して弾くのって、見る者を最高にコケにしてますよね。可愛くて大好き」と書いておられます。そう、デイヴはバンド最年少(「You Really Got Me」当時で17歳!)っていうこともあり初期は可愛い少年というふうなんですよね。(性格は結構ワイルドで、兄のレイやバンドメンバーのミックとしばしば大喧嘩をやらかしてきたそうですけど。)
 
むかしはなけなしの小遣いでゲットしたVHSを巻き戻しちゃあ観たもんですが、今は便利な世の中になっちゃったなあ。Youtubeとかで「見る者を最高にコケに」するデイヴまでお手軽に視聴できるのですからね。
<続く>