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第27回「Y&T」(1)

 Y&Tは、一枚しか持っていません。しかもオリジナルアルバムではない。かつ、興味をもった理由が、「代替メンバー」であったという邪道っぷり。いろいろと済みませぬ。でも、その一枚は大当たりだったのですよ。
 
<今回の作品>
Y&TYESTERDAY & TODAY LIVE1991
1. Mean Streak [MEAN STREAK 1983]
2. Hurricane [EARTHSHAKER 1981]
3. Don't Stop Runnin' [IN ROCK WE TRUST 1984]
4. Struck Down [STRUCK DOWN 1977]
5. Winds Of Change [BLACK TIGER 1982]
7. Midnight In Tokyo [MEAN STREAK 1983]
8. Beautiful Dreamer [YESTERDAY AND TODAY 1976]
9. Hard Times [TEN 1990]
10. I'll Cry [CONTAGIOUS 1987/ 原題I’ll Cry For You]
11. I Believe In You [EARTHSHAKER 1981]
12. Squeeze [EARTHSHAKER 1981]
13. Forever [BLACK TIGER 1982]
 *[ ]内は初出のオリジナル・アルバム。#4#8はバンドがYesterday And Todayと称していたころの曲。
 
イメージ 1

 

メンバー
Dave Meniketti (Gt, Vo)
Stef Burns (Gt, Vo)
Phil Kennemore (Ba, Vo)
Jimmy DeGrasso (Dr)
 
<バンドについて>
 オリジナル・メンバーはDave Philで、あとは途中参加組。Dave Menikettiさんは、エネルギッシュな歌も魅力的ですが、「泣き」を軸に繰り広げるギターワークもお見事で、評論家の伊藤政則氏は「人間国宝」という言い方でその名人芸を称えています。(因みに、氏はGary Mooreもそう称していたと記憶します。うーむ、そういうテイストのギタリストとしては、我はRiotMark Reale様を激しく推したいところであります。彼にも“人間国宝”の号を追贈してもらいたい。)
 
 一方、私が最初に興味を持ったのは、Jimmy DeGrassoがドラムを叩いてたからでした。作品の発表順は逆になりますが、私はJimmyの仕事をAlice CooperA FISTFUL OF ALICEMegadethRUDE AWAKENING等のライヴ作で聴いていて、「おお、いい感じだ」と思っていたもんですから、「Y&Tって初めて聴くけど、このライヴも良いに違いない」などと決めつけて手に取ったのですよ。実際、アタリの作品でしたね。
 
 あ、あとギターのStef Burnsさんも、実は興味あり。私の大好きなバンドHuey Lewis & The Newsに、Chris Hayesの後釜として入ったギタリストなんですわ。調べてみると他にはAlice Cooperの作品にも参加してました。(90年代Alice作品では個人的favoriteである、THE LAST TEMPTATIONでも彼が弾いていたのね!)
 
 さて本題に戻り、Y&Tですが。このサンフランシスコを拠点としたバンドは、Yesterday And Todayという名前で1972年ごろには活動を開始したといいます。(以下のバンド史に関する記述は、伊藤政則氏による本作のライナーノーツ及びインターネット上の各種データベースを参考にさせていただいております。)デビューアルバムが出たのは1976年、2年後にセカンドアルバムも出しますが、ヒットには恵まれなかったようです。レコード会社移籍を機にバンド名をY&Tとした彼らは81年にEARTHSHAKERを発表、この作品で注目を浴びます。本作に関し『SOUNDS』誌は当時“Y&T went from mediocre beginnings to full-blooded, hot-rockin’, barnstormin’, metal maestros.”と評しています。〔『CLASSIC ROCK MAGAZINE20172月号「The Real 100 Greatest Albums of the 80s」特集記事より〕また彼らのライヴを観た伊藤氏は、「ギターという楽器が感情の細かさを表現する魔法の杖であることを証明するデイヴ・メニケッティは、まさに緩急自在、変幻自在に聴き手をY&Tの世界に引き込んでいくのである」と述べておられます。
 
 余談ながら81年といえばわれらがRiotがやはり名作FIRE DOWN UNDERを出した年でもありますね。英国のNWOBHMに呼応(対抗?)する実力派バンドに活躍の場が与えられつつあった時期と言ってもよいのかも。
 
さて、伊藤氏の尽力でY&Tが来日したのが82年。その時のある嵐の一夜にちなんで「Midnight in Tokyo」という曲も後に作っています(MEAN STREAKに収録)。同年には英国のレディング・フェスティヴァルにも登場し、バンドは黄金時代を迎えます。

ところが、MTV全盛の時代に入って、HR/HMバンドにヴィジュアル的要素が求められるようになると、バンドは迷走。オリジナル・メンバーの脱退もあって、80年代後半にはY&Tは失速してしまいます。ゲフィンからのTENを最後にバンドは解散の道を選び……という時点で出されたのが、199012月末に録音されたこのライヴ・アルバムでありました。ジャケットの内側には“17 years, 12 albums, thanks for the memories. We love you all-Y&T”との言葉が記されております。
 
なおその後、バンドは何度か再結成を行い、作品も発表しています。残念なことに、オリジナル・メンバーはDave Menikettiを除いて――Phil Kennemoreさん、Leonard Hazeさん、Joey Alvesさん――それぞれご病気ですでに亡くなってしまいました。現在はDaveさんと3人の新メンバーがY&Tとして活動しているようです。<続く>