DON'T PASS MUSIC BY

"Fashist an di attack ,den wi countah-attack......"<Linton Kwesi Johnson>

第26回「XTC」(4)

2XTCDEMO TRACKS1992
NONSUCHと同年に出された同作の5曲入りデモ音源集。オフィシャル発売です。「The Ballad Of Peter Pumpkinhead」「The Smartest Monkeys」「My Bird Performs」のデモの他、Colinの曲「Down A Peg」、Andyの曲「Always Winter Never Christmas」のデモが聴ける。彼ら(AndyColin)は凝り性で、デモといっても相当の完成度になっているもので、ファンにとっては結構なお宝だったりします。未発表曲を鑑賞したり、完成版との違いを探したりと、マニアックな楽しみに走るのです。ちなみに私はコレを近所のBook Offで見つけました。掘り出し物(?)
 
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3Andy PartridgeFUZZY WARBLESシリーズ(2002-2006
 「デモ」ということだとこれも。Andy Partridge名義ですがXTC時代のものを多数含むホーム・デモ集(一部XTCメンバーが参加したものもあり)。Vol.1Vol.8Hingesで全9枚出ています。以前FUZZY WARBLES COLLECTIONという豪華なボックス・セット仕様でもリリースされていましたが、昨年3作品×3セットでリイシューされました。
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*ボックスセット外観

 

作品は必ずしも時代順に並んでいるわけではないので、例えばNONSUCH収録曲のデモ・ヴァージョンはそれぞれ次のように散在しております。
 『Vol.1』:「That Wave」(「That Wag」なる題目のお遊びテイク(?)も同時収録)
 『Vol.2』:「Then She Appeared
 『Vol.3』:「Humble Daisy」、「Holly Up On Puppy
 『Vol.4』:「The Ugly Underneath
 『Vol.5』:「Crocodile」、「Rook
 『Vol.6』:「Omnibus
 『Vol.7』:「Books Are Burning
 完成版とほぼ同様のものもあれば、「これがああなるの?」と驚かされるものもあり。それにしても、Andy Partridgeの音楽づくりの才は凄い。
 
4Elton JohnTHE SUPERIOR SOUND OF ELTON JOHN1970-1975)』1984
 なぜエルトン・ジョンが?それはNONSUCHのプロデューサーGus Dudgeonがエルトンの黄金期を演出したプロデューサーとして有名だから、です。私あんまりElton  Johnしっかり聴いてなくて、このベスト盤とあとはライヴ盤くらいしか持ってないんですけどね。(コンサートはBilly Joelとのジョイントを観ましたが。)
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 XTCがガス・ダッジョンに依頼することにしたのは、Dave Mattacksの提案がきっかけだったといいます。ベテランのダッジョンの経験談(むかし話)や仕事ぶりにColinDaveは満足していたようですが、自分の作品にあまり手を入れられたくないAndy――それでも必ずプロデューサーを付けるのがXTCで、セルフプロデュースはしないのが面白いところですが――は、早々と不満を表したようです。そしてそれは、ミキシングの段になって問題化しました。ミキシングにAndyを立ち会わせたくないGusと、「自分の作品なんだから出させろ」というAndy、随分揉めたようです。Gusのミックスは残念ながらあまりよくなかったようで、結局ミキシングはGenesisでの仕事などが有名なNick Davisが手掛けて、NONSUCHは世に出ることになった……。作品が難産なのはXTCの宿命かもしれませんが、ねえ。

 

 で、XTCの面々からは「彼はあまり重要な役割をはたしていなかった」と言われてしまうダッジョン氏ですが、彼の素晴らしい仕事は他にいっぱいあるということで、例を挙げた次第。「Your Song」とか「Don’t Let The Sun Go Down On Me」とか、はたまた「Saturday Night’s Alright For Fighting」とか、やっぱりいいものはいいなあ。

 

今調べてみたら、エルトンとの仕事より前では、John Mayall Blues Breakersのアルバム(エリック・クラプトンが参加したやつ)のエンジニアや、Ten Years Afterのファーストアルバムのプロデューサー・エンジニア、Bakerlooのプロデューサーを務めていたりもしたんですね。英国ブルーズロックを支えた人物でもあったとさ。
 
5Fairport ConventionLIEGE & LIEF1969
 Dave Mattacksさんの数ある仕事から一つ。英国フォーク・トラッドロックの名バンドFairport Conventionの、Sandy Denny在籍時代の傑作LIEGE & LIEF、マタックズさんはここからバンドに参加(前任のMartin Lambleさんが自動車事故で亡くなってしまってのメンバーチェンジだったそうですが)。トラッド曲をバンドでアレンジした3曲目の「Matty Gloves」の気だるいグルーヴ、同じくフィドルが活躍の6曲目の「Medley: The Lark In The Morning/RakishPaddy/Foxhunter's Jig/Toss the Feathers」の変幻自在のリズムなどで、Mattacksさんの名演が楽しめます。
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