DON'T PASS MUSIC BY

"You are the part that you're giving......"<Renaissance>

第23回「Van Halen」(3)

<思い出話>
 ちょっと長くなりますがお許しを(ご興味なければ飛ばして下さい)。この欄でベストを紹介する程度ですから、わたくしVan Halenの熱心なファンとはいえないのですが、このバンドとの出会いはたいへん重要なものでありました。

 

 まず最初は、中学の頃でした。私の教わっていた英語の先生は授業で英語の歌――Bette MidlerFrom A Distance」、The PoliceMessage in A Bottle」、Billy JoelJust the Way You Are」、StingEnglishman in NewYork」ほか――をよく取り上げておられました。洋楽なるものをほぼ初めて聴いた私は(免疫がなかったから?)完全にはまってしまい、授業外でもThe Beatlesの曲を探して聴く――当時はCD買う財力などありませんので、公立図書館でテープを借りてくるというのが主――などという挙に走りました。で、どうやら「コイツはロックに興味があるらしい」と先生も気付かれたようで、あるとき「これを聴いてみな」ってな感じでカセットテープを貸して下さったのです。そこに入っていたのがVan HalenJump」でした。(お手製の解説もついてました。うろ覚えなのですが“アメリカンハードロック”のバンドで、“ステージではワイヤーでつるされて飛んだりする”派手なやつら。「Jump」は“くよくよ躊躇う前に跳べ!と歌っている”、といったことが記されていたと思います。)

 

 うちに帰ってそのテープを聴きます。ヘヴィメタルはおろかハードロックという言葉すら知らなかった当時のこと、「なんか授業でやっているのとは違う!」と強いインパクトを受けました。ちなみに、その10分テープのB面には「Drop Dead Legs」(1984収録)も入ってましたが、なぜこの曲を選ばれたかについてはわかりません。(お訊ねしておけばよかった。「Pamana」とかではないところが渋いです。)テープが擦り切れるほど……というのは明らかに大袈裟ですが、まあ随分と聴きました。

youtu.be

 

 そうこうするうちにある機会が。最寄り駅の沿線にディスカウントストア「ダイクマ」がありまして、そこの2階にワゴンセールでCDを扱ってるコーナーがありました。一枚980円とかそういうのでいろいろある中に、“VAN  HALENONE  WAY  TO  ROCK Live in USA”というのを発掘した私。曲目を見たら「Jump」が入ってる!やったあと思って小遣いをはたいて買って帰りました。早速聴いてみると、「あれ、なんかテープと違う。お客の歓声が入ってるけど?歌ってる人も別?」……“ライヴ盤”というものの存在を知ったのも初のことでした。それに、これは非オフィシャル盤なのですがそんなことも当時は知る由なく。
イメージ 1
 
 とにかく、自分で持っている数少ないCDですから、大事にしてさんざん聴くわけです。そうしていると、おのずと自分の中で「お気に入り」の曲が出来てくる。どうも私はしっとりとしたバラード、とかではなくてビートの聴いたハードな曲が性に合うようだとわかってくる。そういう意味だと、ONE WAY TO  ROCKの中だと「You Really Got Me」がいちばんだ。で、CDのクレジットを見ると、この曲だけ「Van Halen」ていうのじゃなくて「Ray Davies」って書いてある。他人の作った曲なのかな?

 

当時は(こればっかり。)、The Kinksなども知りませんし、“カヴァー”という概念も未知のもの。もちろんVan Halenの詳しいバイオグラフィーも知らないから、デビューシングルがソレだったことも知らんわけです。とにかく「You Really Got Me」って曲が印象に残るばかりでした。

 

そこで次の段階が。後日例の「ダイクマ」でワゴン漁りしていたら、16  GOLDEN  POPS(名称うろ覚え、今手元にそのCDがなくて……)というのに「You Really Got Me」が入っていました。16~』は、(どうも非正規盤らしい)オムニバスアルバムで、The Kinksの「You Really Got Me」のほかには、The Animalsの「House of the RisingSun」やSpencer Davis GroupKeep On Running」、The ByrdsMr. Tambourine Man」、Lovin’ SpoonfulSummer in the City」なんかが寄せ集めらていました。で、「こっちが元の曲かな」と思って聴いたThe Kinksの「You Really Got Me」。例の「ごががごが」のリフがすんごいタイトなのとか、短いギターソロが強烈なのとかにもいい意味で驚きましたが、作品の出来た年が1964年だと知ってなおびっくり。The Beatlesと同世代のバンドだったの?超ハードじゃん、最高、最高!ってなわけで、そこからは私キンクス大好き野郎になるのでした。予備知識なしでVan Halenを聴いて……っていうくだりがなければ、そこまで傾倒はしなかったろうと思うと、忘れがたい一事。本当は錯覚なんでしょうが、「自分でたどり着いたぜ」と思うと、もう思い入れが違う。最近は情報がすぐに得られるのでそういう苦労と感動を味わうことはめったになくなってしまいましたがね。

 

さて、Van Halenで思い出話をもう一つ。高校の文化祭にバンドで出た時に「Jump」をやりました。私はドラム。このバンド、いま振り返るとユニーク(?)で、決まったカラーのものをやろう!ということがあんまりなくて、メンバーが気に入った曲はなんでもやればいいんじゃない?っていうスタンスでした。他のバンドは、「ブルーハーツ系」とか「ハードコア系」「ヴィジュアル系」とか、少なくとも「邦楽系」「洋楽系」くらいの括りはあったのに、このバンドはそれすらなかった。hideさんや布袋さんが好きなメンバーがいたので少し多めにやりましたが、そこにNirvanaGreen Day、場合によってはSex Pistolsが加わる。というとパンクが主なのかと思えますが、一方でVan  HalenをやったりThe Yellow Monkeyを入れたりもしてましたし。ギターやキーボードなど、ソロのあるパートが上手な面々だったのでなんでも対応できたということもあるかもしれません。Van HalenJump」はちょっと難しい曲でしたが、なんとかいまくいきましたね。文化祭当日はこの曲の「キーボードソロ→イントロフレーズの再生」の間で、Vo担当がバンドメンバー紹介をやってくれたのですごく印象に残っています。テープにとってMDに落としてあるんですが、どちらも再生機器がなくなってしまい、簡単には聴き直せないのが残念ですが。

 

ま、そんなわけで、ロックファン並びに素人楽器演奏家としての私にとってたいへん印象深い一曲が、Van HalenJump」なのでありました。