DON'T PASS MUSIC BY

"Secrets are fun to a certain degree, but......"<Jake Holmes>

第19回「Robert Johnson」(2)

というわけで、バイオに関する部分はそうした専門書にお任せして、と。そうそう、THE COMPLETE RECORDINGSには、Keith RichardsThe Rolling Stones)とEric Claptonのエッセイが載っているのですがこれがどちらもすごいんですよ。Keithの方は、「初めてRobert Johnsonを聴いたのは、(Stonesの仲間の)Brian Johnsonのトコだった。アイツの家でレコードを聴いたんだ。曲が流れてから俺は、“こいつは誰だ?”って訊いたんだ。ヤツは“ロバート・ジョンソンさ”って答えた。それで俺は“それはわかったけど、じゃあギターを弾いてるのはなんてヤツだ?”って訊いたんだよ。ギターが二本に聴こえたんだ。」云々というエピソードを明かし、後にStonesが「Love In Vain」をカヴァーした事情についても語っています。キースの締めくくりの言葉がいかしてて、「ブルーズがどんだけ素晴らしいもんか知りたいか?ああ、こいつがそれさ(Well, this is it)」。


一方のEricのエッセイは、“自分がブルーズにとりつかれたか”を告白していてこれまた興味深いのです。題して「Discovering Robert Johnson」、大学のレポートみたいだなあ。エリックは15-6歳でロバート・ジョンソンを聴いてその「力強さ」にショックを受けたといいます。彼によれば、ジョンソンの演奏はオーディエンスに向けているようには聴こえない。どう聴いても、ジョンソンは自分自身の為だけに演奏しているように聴こえたんだ、とエリック。「(自分が)25歳になるまでは、ロバート・ジョンソンが何者か知らないやつとは口もききたくなかったね」っていうんだから重病ですな。「30年余にわたって音楽に関わってきたけど、ロバート・ジョンソンよりもソウルフル(deeply soulful)なのには出会ったことがないよ」と賛辞を送りつつも、「でも分析なんかはいいんだ。多くの人が彼の音楽、その真実と美しさをあるがままに認識してくれたら、こんなに嬉しいことはないよ」と締めくくる真面目なエリックなのでありました。わたくし、音楽偉人の言葉に弱いところがありまして、キースやエリックがそこまで言うのならいろんな魅力があるのだろうと信じまして、繰り返し作品を聴きこんだものでした。懐かしい。


そしてそこから、周辺のブルーズ・ミュージシャンへ関心を広げていったわけでございます。特にお世話になったのは、RCAブルースの古典』という二枚組CD(本ブログ第4回でご紹介済み)と、三井徹・小出斉共編『ブルーズの世界』冨山房1995年)という書籍でした。まだ手に入るかなあ、おすすめしときます。


 
<作品紹介>
Robert JohnsonTHE COMPLETE RECORDINGS1990
Disc1
1.Kind Hearted Woman Blues(take1)
2.Kind Hearted Woman Blues(take2)
3. I Believe I'll Dust My Broom
4. Sweet Home Chicago
5. Ramblin' on My Mind(take1)
6. Ramblin' on My Mind(take2)
7. When You Got a Good Friend(take1)
8. When You Got a Good Friend(take2)
9. Come On in My Kitchen(take1)
10. Come On in My Kitchen(take2)
11. Terraplane Blues
12. Phonograph Blues(take1)
13. Phonograph Blues(take2)
14. 32-20 Blues
15. They're Red Hot
16. Dead Shrimp Blues
17. Cross Road Blues(take1)
18. Cross Road Blues(take2)
19. Walkin' Blues
20. Last Fair Deal Gone Down
 
Disc2
1. Preaching Blues (Up Jumped the Devil)
2. If I Had Possession Over Judgment Day
3. Stones in My Passway
4. I'm a Steady Rollin' Man
5. From Four Till Late
6. Hellhound on My Trail
7. Little Queen of Spades(take1)
8. Little Queen of Spades(take2)
9. Malted Milk
10. Drunken Hearted Man(take1)
11. Drunken Hearted Man(take2)
12. Me and the Devil Blues(take1)
13. Me and the Devil Blues(take2)
14. Stop Breakin' Down Blues(take1)
15. Stop Breakin' Down Blues(take2)
16. Traveling Riverside Blues
17. Honeymoon Blues
18. Love in Vain(take1)
19. Love in Vain(take4)
20. Milkcow's Calf Blues(take2)
21. Milkcow's Calf Blues(take3)
 
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全曲:Robert JohnsonVo, Gt
〔後編に続く〕