323
Kotipelto「Vizier」『WAITING FOR THE DAWN』(2002)
もう20年以上も前の作品になってしまうのですか。Stratovariusとかが好きでメロディック・パワーメタルもよく聴いていましたが、コレが出たのはリアルタイムで覚えています。ところが、「まあ、いずれ聴く機会はあるよね」と後回しにしているうちに新譜コーナーからは消えてしまい、中古も積極的には探さなかったのでそれっきりになっていたのでした。発売当時の評判も悪くなかったはずだから、なんでちゃんとフォローしなかったのか私。
で、その後メロパワ熱も大部落ち着い(てしまっ)た2020年代に偶々CD店で見つけて購入、やっと聴いたのでありました。で、想定通り良かったですね。ティモ・コティペルトが歌うメロディックなパワーメタルだから、ストラトヴァリウスと「パッと聴いたところ」では大差ないんですが、心なしか歌は一層のびのびしているような気も。
それから、ティモをバックアップしてるミュージシャンも何気に凄いのね。今回チョイスした「Vizier」は、ベースがJari Kainulainen(ストラトヴァリウスでの当時同僚)、ドラムがフィンランドの腕利きMirka Rantanen。そしてキーボードにJanne Wirman(当時Children Of Bodom)、ギターにSymphony XのMichael Romeoですからね。
特にロメオ様、私のむちゃくちゃ好きなギタリストですが、彼が自分のバンドの時とは趣変えてコンパクトにテクニカルなソロを決めるなんていうのは美味しさ数倍ですよ。「Vizier」っていう曲自体も、テンポチェンジがあったりして“少しだけプログ・メタル風”なのもロメオやウィルマンの起用とマッチしてるさあ。あ、「Vizier」というのは古代エジプトの“主席大臣”で、唯一ファラオに返答することが許された存在だったんですって。アルバム全体のコンセプトも凝ってて、なかなかいいアルバムじゃないかな。