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どんぱす今日の御膳241

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Three-Headed Dog「Cerberus」(『HOUND OF HADES』2006)*1973年録音

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 こんなバンド、某専門店で偶然出くわすまで全然知らなかった。「三頭の犬」なるバンド名に『冥界の猟犬』なるアルバム名……きっとこれはブラック・サバス的なヘヴィ・ロックなのであろう!2006年リリースだがもともとは1973年の録音というあたりも、何かヤヴァイ事情があったに違いない!と盛大に勘違いして買って帰る私。

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 で、聴いてみると、プログレ風味のあるフォーキーなロックという感じでした。演奏力はしっかりしてるし、歌も悪くない。例えばこの「Cerberus」は9分超えの大作ですが、これだけのものをきちんと仕上げる実力は大したものでしょう。(「ケルベロス」というタイトルはバンド名に重なる筈で、一番の力作なのもわかりますね。)

 

 冒頭の「Slick Solution」も程よくヘヴィでよいし、5曲目の「Just Gotta Play」なんかも意外な軽快さがよい。録音状態だけがガレージっぽくて(ありていに言ってしょぼい)楽曲の良さを伝えきれていませんが、それはまあ、発掘音源の限界でしょうか。当時きちんと作りこまれていたらねえ。

 

 70年代になかなか凝ったよいロックを生み出していながらお蔵入りした事例としては、私の趣味ではたとえばNecromandusなんかが思い浮かびますが、ああいうナイスバンド(埋もれた……)がゴロゴロいたんだとすると、英国まさにおそるべし、であります。

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 Three-Headed Dogの面白いところは、Chicagoの「25 Or 6 To 4」(「長い夜」)をブラス抜きでカヴァーしていたりするところで、しかもこのテイクが12分以上あるんですよ。Terry Kathあたりが凄い好きなギタリストだったりしたんですかね?まったく、何を考えていたのか……とかいいつつ喜んで聴いてるこっちこそ真の変人ですかね。