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Status Quo「Little Lady」(『LIVE ALIVE QUO』1992)
史上最高のヘヴィ・ブギー・バンドStatus Quoの黄金期は70年代中盤だと私は思っていますが、その他の時期がつまらないということではありません。初期のサイケ・ポップ時代も一筋縄でいかないし、80年代以降のポップな味わいも捨てがたい。
とはいえ、70年代の曲は70年代のライヴ盤で聴けばいいよね……とコレを流していた自分に説教をしないといかん。クオはいついかなる時代でも最高のライヴを披露していた(いる)、というのは、比喩ではなく文字通りの事実だったのであります。
Rick Parfitt(故人)のペンによる本作「Little Lady」は、75年のアルバム『ON THE LEVEL』の冒頭を飾った爆走ブギー。次のヘヴィ&スロウな「Most Of The Time」(Francis Rossi/Bob Young作)と組曲のようにして演奏される(つまりアルバム同様ってことですが)ことが70年代には多かったようです。この『LIVE ALIVE QUO』では単独で、しかもクロージング・ナンバーになっているのがちょっと新鮮。
あと、このテイクを紹介したかったのは、『LIVE ALIVE QUO』のジャケットが素晴らしすぎるから。見てくださいこのカッコよさ。Status Quoのブルーのデニムは“制服”みたいなモンですが、Judas Priestのレザーなどと同じ美学に貫かれております。というか、メタル・バンドのヘッド・バンギング文化の先達はそもそもクオのステージングですよね。Status QuoからJudas Priestへの伝承ってあまり語られない気がしますけど、かなり重要なんじゃないかな。70年代のクオは、Judas Priestの同郷の先輩Black Sabbathとレーベル・メイト(Vertigo)だったしね。英国ヘヴィ・メタルの、Status Quoとの関係性は軽んじられてはなりますまい。
もう一曲だけ90年代クオで特に好きなのを挙げとくなら、これかな。「Like A Zombie」なんていうからどんな曲かと思ってアルバム『ROCL 'TIL YOU DROP』をおそるおそる再生すると、“ゴキゲンな”(というしかない)ハード・ブギーが流れ出しましたよ!?