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"Fashist an di attack ,den wi countah-attack......"<Linton Kwesi Johnson>

どんぱす今日の御膳223

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Steppenwolf「Skullduggery」(『SKULLDUGGERY』1976)

youtu.be

 「お前、英国ロックしか繰り出してこないじゃないか」って言われそうなので、「べ、米国ものも好きなんだからね」と言い張るためにコレを提出しよう。

 

 どうですか、冒頭20秒弱のドラム・ソロは。まあ、派手さはないけど丹田のあたりにグッときません?さすがは名手Jerry Edmonton(Dr)だよ。この人もあんまり持て囃されないけど、グレート・ドラマーだと思うんだよなあ。John Kay(Vo, Gt)にこんなダンサブルな歌を歌わせるなんて、彼のタイコじゃなきゃね。軽快な踊れる曲も、重ーいブルーズも、ハードロックも叩き分けた故ジェリー・エドモントン先生を称えよ。それと、ジェリーは曲も書いたんだけど、彼の単独作「Straight Shootin’ Woman」(1974年の『SLOW FLUX』所収)も軽快なヒットナンバーだったんだ。

 

 Steppenwolfというと「Born To Be Wild」があまりにも有名なんで、“一発屋”だと思っている人がいるかもしれんが、それは大きな間違いである。一般層にまで知られた曲はさすがに多くはないが、名曲名演名作名盤目白押しの偉大なるバンドなのだ。ジェリーなどすでに亡くなったメンバーもいますが、ジョン・ケイ先生はまだバンドを率いてロックしてるのですよ。

 あ、「Born To Be Wild」の作曲者って、Mars Bonfireってなってるじゃないですか。当時のバンド・メンバーにそんな名前の人はいないから、「なんだ、外部ライターの曲をあてがわれたのか」と思ったら、これも間違い。Mars Bonfireとは、Jerry Edmontonの兄貴にしてバンド草創期のメンバーDennis Edmontonその人なのですね。(ダミアン浜田殿下みたいなもんか。違うか……)

 

 というわけで、ステッペンウルフは、ジョン・ケイのカリスマと音楽への愛がもちろん大黒柱ではあるんだけど、特に初期においてはエドモントン兄弟のスキルによって羽ばたいたところも多分にあるのだと、そういいたいわけです。90年代に再結成するまえ、70年代に一度幕を下ろしたオリジナル・ステッペンウルフの最後の輝きをとらえた『SKULLDUGGERY』のタイトル曲は、やっぱりドラムがポイントだったよ……