DON'T PASS MUSIC BY

"Fashist an di attack ,den wi countah-attack......"<Linton Kwesi Johnson>

どんぱす今日の御膳221

221

Budgie「You're The Biggest Thing Since Powdered Milk」(『NEVER TURN YOUR BACK ON A FRIEND』1973)

youtu.be

 そして、73年になるとこんなのも登場。冒頭に1分43秒に及ぶ「ドラム・ソロ」が繰り広げられるという――Dream Theaterでもやらんような――曲。英国B級ハードロック(これは最上級の賛辞です)バンドBudgieの「You're The Biggest Thing Since Powdered Milk」。タイトルもなんだかよくわからんね……

 

 本編は、彼ららしい――人間椅子に影響を与えまくっていることがゼッタイわかると思う――リフ・ロック。Burke Shelley(Ba, Vo)がシャウト気味なのは実は珍しい。その彼の硬質い(カタい)ベースと、Tony Bourge(Gt)のねちっこいギター・ワーク。仄かにプログレっぽい展開をリードするRay Phillips(Dr)のドラミング。そういえば、あんまり言及されないようですが、カナダのRushにけっこう影響与えてるんじゃないですかね。

 このアルバム『友情』(うまいこと邦題付けたね)は、何といっても1曲目の「Breadfan」が名高く――メタリカ人間椅子のお陰?――、たしかに名曲なんですが、他の曲も“一筋縄でいかない”感じが英国ロック好きを酔わせる。ThemのカヴァーとCurved Airのカヴァー(どんぱす今日の御膳で前に紹介したね)の時期的には合間に入る、「Baby Please Don't Go」のハードなヴァージョン。実はアルバムごとに入っているフォーキーなアコースティック、本作では「You Know I'll Always Love You」。バッジーといえばコレ!の裏名曲(ワン・リフを呪術的に繰り返す「Guts」由来の?)「In the Grip of a Tyrefitter's Hand」、抒情的な大作「Parents」……

 

 名盤といってよいアルバムですが、これを仕上げたあとで、オリジナル・ラインナップは崩壊。さきほどドラム・ソロを披露してたレイ・フィリップス氏が脱けます。彼は後にTredegarとかSix Ton Budgieとかを主宰するので、意外と(?)仕切るタイプの人だったのかもしれない。歌も歌ったりするしね。そんな彼のバッジーへの置き土産が、あのドラム・ソロだったのかな。