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Sonata Arctica「The Cage」(『WINTERHEART’S GUILD』2003)
前回のトワイライトニングみたいに、前座バンドの思い出話といきますか。いまおもえば2004年頃はけっこうまじめにコンサートに行っていたのね。2/6にハロウィンを観たわずか二日後、今度は2/8さいたまスーパーアリーナへ“Iron Maiden Fes.”を観に行ってたんだから。
当時の新作『DANCE OF DEATH』を引っ提げて来日したアイアン・メイデンに、Sonata ArcticaとArch Enemyの二組が付くというなかなか豪勢なパッケージでした。ソナタ・アークティカはメンバーチェンジを経ながらもゲスト(イェンス・ヨハンソン)を迎えつつ『WINTERHEART’S GUILD』を出したところ、アーチ・エネミーはAngela Gossowを加えて『WAGES OF SIN』『ANTHEMS OF REBELLION』を送り出した後と、いま考えてもなかなかに“豊作”な時期だったわけですね。私と、私以上にこの若手両バンドに入れ込んでいた弟とで、埼玉まで赴いたのでありました。
今でこそフェスなんて珍しくなく、一日に十組近く観ることもザラではありますが、あのころは3組フルにみると結構お腹いっぱいになりました。特にアイアン・メイデンのステージングが物凄く、一番年寄りのはずなのに、前二者がかすんじゃうくらいのパフォーマンスを繰り広げたものだから……
トップのSonata Arcticaを観たときは、「いいじゃん!」と思っていたのに、後で振り返る(メイデンと比べちゃう)と「あれでもまだ、ステージを活かしきれていなかったんだなあ」と思えてしまい、ちょっと気の毒ではありました。でも、曲がよいのはやはり強み、冒頭の疾走的「Abandoned, Pleased, Braiwashed, Exploited」、ファーストアルバムからの「Kingdom For A Heart」、気に入っていた「Black Sheep」、レア曲「Mary-Lou」と、楽曲には「ほぼ」満足しました。弟は「San Sebastianやんないの?」、私は「Blank Fileは聴きたかった」とそれぞれ身勝手も言ってたわけですがね……その代わり(?)に、当時の最新作からギターとキーボードがしっかりフィーチュアされた「The Cage」が聴けたのでよしとしましょうか。
スタジオ・アルバムではStratovariusのイェンス・ヨハンソンが鍵盤ゲストで物凄いソロを繰り出していたのですが、もちろん彼はいませんので、ここではHenrik Klingenbergがプレイしていたはず。ヘンリクはその後もバンドに在籍し続けています。