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"Fashist an di attack ,den wi countah-attack......"<Linton Kwesi Johnson>

どんぱす今日の御膳192

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Billy Joel「That’s Not Her Style」(『LIVE AT YANKEE STADIUM』1990)

youtu.be

※前回から続いてます

(4)当時の新作『STORM FRONT』からの「That’s Not Her Style」。今ではまず聴けないナンバーですな。BS(NHK)の映像では歌詞が下に出るので追っかけながら観聴きしてたんですが、これはビリーの妻(当時)Christie Brinkleyのことを歌ったもの、ですよね。“世間じゃ誤解されてるが、彼女はそんなんじゃない(That’s not her style……)”。よーく見てると一瞬ちらっとステージ脇にいるクリスティが映るんで、映像監督も曲をよく理解していると見た。

 

(5)そもそも、監督ですよ。フィルム・プロデューサー/フィルム・ディレクターはJon Smallさんですぞ!……何を力説しているかというと、ジョン・スモールはビリーが初めて世に出たバンドThe HasslesAttilaの頃の盟友(ドラマー)であるからです。(当ブログの大昔の記事にAttila特集あり。)ジョンの元妻エリザベスが、ビリーの妻(クリスティの前ね)になって敏腕マネージャーとしてBilly Joelをサポートしたとかそういう“Layla的な(?)”話もあるのですが、それは兎も角。

 

(6)終盤でやる「Miami 2017」も味わい深い。地元ニューヨークにおける(それも記念碑的な)コンサートだからということもあるでしょうが、盛り上がりがスゴイ。名曲ぞろいのビリーのキャリアの中でも、アルバム『TURNSTILES』は格別だ。

(7)エンディングは「And So It Goes」(スタジオ録音)に載せてクレジットが流れる美しさなのだが……最初にばーんとJon Small(前述)の名前が出たり、途中でAlexa Ray Joelの名前が出てきたり(ビリーの娘さん、当時まだ小さかったはず)、ヤンキー・スタジアムのスタッフの名前にBilly Squierと出てきて「あの人とは別人だよね?」となったり。

 で、CBSと出てきてハッとする我。そうだ、Billy JoelはColumbiaのアーティストで、日本ではソニーから出てた。『STORM FRONT』も、そうでした。で、CBS/ソニーといえば我らがRiot『THE PRIVILEGE OF POWER』(1990)ですよね!

 ビリーライオットは意外に近いところにいたんでは?という、必殺こじ付け人の流儀。いやでもさ、Billy Joel(1949生)もMark Reale(1956生)も「ビートルズを観て、ミュージシャンになりたいと思った」わけでしょ。ビリーはドイツ系、マーク(・リアリ)はイタリア系のニューヨーカーで、NYのストリート・ライフを心得てるよね。で、両者とも楽曲におけるメロディというものをすごく重視していると。もうこれは他人じゃないね?

〔2022/5/4加筆〕さらにさらに、Riot『THE PRIVILEGE OF POWER』の「Killer」にゲストヴォーカル参加しているJoe Lynn Turner氏は、Billy Joel『STORM FRONT』所収の「I Go To Extremes」「State Of Grace」にもバッキング・ヴォーカルで加わっているのだ!(Q.E.D