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"Fashist an di attack ,den wi countah-attack......"<Linton Kwesi Johnson>

どんぱす今日の御膳183

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Phil Rudd「Head Job」(『HEAD JOB』2014)

 AC/DC黄金期のドラマー、フィル・ラッドさん。彼は、(個人的なトラブルもあったりして)バンドに出たり入ったりしている方ですが、AC/DCの音楽性に最もフィットしたドラマーであることはまあ間違いないでしょう。

 

 私はもちろんリアルタイムのフォロワーではないのですが、1996年のビデオ『NO BULL』(スペイン・マドリードでのライヴ映像)で氏を拝みまして、格好良さにまいりました。長髪・眼鏡・咥えタバコの3点セットでタメの効いた8ビートを叩き出す……。クリフ・ウィリアムズ(Ba)・マルコム・ヤング(Gt)とのコンビネーションあってのことでもありますが、“ドラミングの魅力は手数(ダケ)じゃない”ということを教えてくれた偉大な先人の一人であります。

 

 さて、そんなラッド氏がソロ・アルバムを出していた?全く知らずにレコード店で本作『HEAD JOB』に出くわした私は、“ノヴェルティ・アイテム”に手を出すつもりで購入したのでありました。ドラム好きの人間以外、買う物好きもいないだろう、くらいの(失礼……)つもりでね。

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 で、家に帰ってとりあえず再生すると、飛び出したのがこのタイトルトラック「Head Job」でありました。これがもう、笑っちゃうくらいAC/DCしてるのよね。“♪じゃららららッ”っていうギターリフ、40年来のブレないタフ・ビート、ベース兼ヴォーカルのAllan BadgerさんのヴォイスこそAC/DCの面々(Bon ScottやらBrian Johnsonやら)ほどアクが強くはないですが……。“♪Don’t talk to me ……just leave me be……”

 

 ほかの曲も、「70年代のハードロック」感満載で、楽しめるアルバムだから困っちゃう。キャッチー(爽)なコード展開も散りばめられていたりしましてね。

 

 このアルバムを出した後ぐらいからラッド氏は些かの問題を起こしまして本体バンドAC/DCから離脱する羽目に陥りましたが、近年また復帰したみたいで、現在はバンドの正ドラマーのようですな。