(23)Little Richard「Rice, Red Beans and Turnip Greens」
昨年(2020年)亡くなったLittle Richardも、偉大な偉大なロックンローラーでした。当然吾輩リアルタイムで聴いてたわけではなくて、テレビドラマALFを夕方見てたらアルフが“♪Tutti frutti~”をいきなり歌い出したんで「なんだこの曲?」となって捜索の旅に出た次第……あとはダイクマ・ルートでこんにちは。
スペシャルティ時代のロックンロール・クラシックが最高なのは言うまでもないことでございますが、それより前の時期にも彼は録音をしていて、たとえばこんな「米、小豆と蕪」(?)なんてのがあったと。Peacockレーベルに残された1954年のシングル「Always」(クレジットはTempo Toppers feat. Little Richard名義)のB面だったそうでございます。(私は『5 CLASSIC ALBUMS PLUS BONUS SINGLES』という2012年の4枚組廉価コンピで聴いています。)
この「Rice, Red Beans and Turnip Greens」にしても、そのA面だった「Always」にしても、分厚いバッキングのついたR&Bといったところで、軽快なノリ、パワフルなサックス・ソロ、ゴスペル風味を増すオルガンの味わい……良いのですが、リトル・リチャードの歌唱は(うまいですけど)個性的というほどでない。
この次に出た(Specialtyレーベル)1年後のシングル「Tutti Frutti」がいかに破壊的・革命的であったかというのは、今回の曲と聴き比べるとすごくよくわかります。Panteraのグラム時代とパワー・メタル時代くらい違う(?)。まあ要するに、偉業を成し遂げる人々にも往々にして前段や下積みはあるのだという教訓ですな。
リトル・リチャードは、全盛期以降もなかなか面白くて、60年代・70年代の音源も見つけると聴いちゃいますな。1970年の『THE RILL THING』では、アノ必殺裏声をブッ込みながらThe Beatles「I Saw Her Standing There」をカヴァーしてたりして、最高なのよ。
<続く>