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Joe Louis Walker「Mile-Hi Club」(『GREAT GUITARS』1997)
Joe Louis Walkerさんの名は、私は冨山房刊『ブルーズの世界』(第19回「Robert Johnson」(4))で知りました。Robert Crayと並ぶ新世代ブルーズマン、というような扱いだったかな。
こちらは、ジョー・ルイス・ウォーカー版「ブルース・サミット」(B.B.キング)といった趣のアルバム。Bonnie Raitt、Ike Turner、Otis Rush、Buddy Guy、Robert Lockwood Jr.など錚々たるメンバーが個別に共演。
スライドも巧みなボニー・レイットとの「Low Down Dirty Blues」、大御所ロバート・ロックウッドを迎えた重厚な「High Blood Pressure」など聴き所いっぱいですが、ここでとり上げた「Mile-High Club」も豪華。
Scotty Moore・Little Charlie Baty・Steve Cropper・Clarence Gatemouth Brownが次々にギターソロをとるのです。“チャック・ベリーお得意のイントロ・フレーズ”をスウィンギーに崩したような始まり方をする、軽快なシャッフルナンバー。スコッティさんは御存じElvis Presleyの右腕だったこともある名手。チャーリーさんはThe Nightcatsというバンドを率いて活躍してきた人(ジョーよりは若い)。スティーヴさんはBooker T & The MG’sなどでプレイしてきた職人で、クラレンスさんは1940年代からブルーズ界に足跡を残してきたリヴィング・レジェンド。ソロは四者四様ですが、一聴それとわかるスコッティ・ムーア御大のプレイに特に感銘を受けましたね。