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Joan Jett「Dirty Deeds」(『THE HIT LIST』1990)
元Runaways組の中では最も愚直にロックンロールしている(ように見える)Joan Jett。氏がこんなカヴァーアルバムを出してたの、最近まで知りませんでした(ただの不勉強)。割といろんな人がやる「Love Hurts」とか、Girslchoolもやってたのでマアありでしょという「Tush」、寛げる名曲「Have You Ever Seen the Rain ?」(Creedence Clearwater Revival)といったあたりは想定の範囲内。
The Kinksの大作「Celluloid Heroes」をじっくり仕上げ、The Doorsから選りに選って「Love Me Two Times」を演り、Sex Pistols「Pretty Vacant」をロットン風にかますといったあたりが面白いところ。(個人的に。)
日本盤は邦題を『雨をみたかい』としていることからわかるように、(少なくとも日本の売り手さんは)あまりハード/ヘヴィなイメージを出したくなかったようなんですが、やっぱりこの人の本質はガツンと来るロックだろ。本作を象徴するのはむしろ冒頭の「Dirty Deeds」(Dirty Deeds Done Dirt Cheap by AC/DC)ですよ。ボン・スコットやらブライアン・ジョンソンやらといった濁声連中に比べりゃクリアで細い声ですけど、熱はこもってますよ。奇をてらわない演奏もグッド。