Snafuの2作目がこちら。
Snafu『SITUATION NORMAL』(1974)
- No More
- No Bitter Taste
- Brown Eyed Beauty & The Blue Assed Fly
- Lock And Key
- Big Dog Lusty
- Playboy Blues
- Jessie Lee
- Ragtime Roll
<メンバー>
Bobby Harrison(Vo, Perc)
Micky Moody(Gt, Mandolin, Harmonica)
Colin Gibson(Ba, Cowbell)
Terry Popple(Dr, Washboard)
Pete Solley(Key, Synth, Fiddle)
前作と同一メンバーによるセカンド。ビートもこなれて洗練を感じさせる「No More」から早速、快作の予感が!メンバー5人の力がうまく組み合わされている上、ギアチェンジ(テンポの切替)も無駄なくスムース。私はやはりこういう、きちんと構成があって展開していく曲が好みです。終盤の高速インストパートが最高で、Pete Solleyのプログレ的鍵盤はとりわけ良い!頑張って色々詰め込み過ぎ(?)なくらいの6分16秒。
「No Bitter Taste」は、前曲の緊張感をうまいことほどいてくれます。ミッキーの名人芸(スライド)は絶妙だし、ボビーの歌も力押しでなくて、美味しい仕上がり。
と、ここでお得意のフィドル入りカントリー・ソング「Brown Eyed Beauty & The Blue Assed Fly」。やっぱりこういうのもやりたい人たちなのね。出来ちゃうんだから仕方ない!で、それに続くスライド・ギター全面展開の「Lock & Key」はまたもマディにしてアーシーなブルーズ。こりゃあもうWhitesnakeの世界だわ……数年先取りしているけども。なんでだれもボビーのことを「カヴァーデイルの先達!」って言ってあげないのかね。
ピートの鍵盤が導くイントロから愉快な反復ビートが始まる「Big Dog Lusty」。このリズムパターンはおもしろいな。Terry PoppleとColin Gibsonの生み出すナイス・グルーヴに脱帽。
得意のミドル・ファンク「Playboy Blues」は8分を超える大作。まずボビーの歌ね、暑苦しい一辺倒かと思いきや、さにあらず。この曲なんかもWhitesnakeのプロトタイプと言われりゃあ納得の程好いブルージー歌唱。そして、中間~後半のインタープレイは同時期のJeff Beckを少し彷彿とさせたりも。(MickyとPeteの器楽バトルあり。)
次の「Jessie Lee」も含め、このアルバムは全曲Moody/Solley/Harrison作。バンドとしてしっかり機能していたということでもあるかな。嬉しいのは、ミッキーだけでなくピートの貢献が大きいこと。心地よく弾むこの「Jessie Lee」でも、カラフルな鍵盤捌きを見せ、中間には懐かしいオルガンサウンド(ソロ)も投入。
ファイナルの「Ragtime Roll」もピートのピアノで開幕。ピアノ・マンなイントロだけど、ラグタイム・ロールなのこれ?……おお、軽快なロックンロールに突入しましたぞ。管楽器が入っているがこれはゲストですな。バリトン・サックスがBud Beadle氏、テナーサックスがSteve Gregory氏、それと?テナー&アルト(ソロ)にMel Collins先生!
King Crimsonをやめて、Alexis Kornerと一緒にやって、今度はAlvin Leeンとこ行くか、っていう時期のプレイ。あくまでゲスト参加なんですけど、ナカナカ気合の入ったブロウを吹きかましてくれます。楽曲後半はメルが全部持ってっちゃうよ。私はメル・コリンズふぁんなので嬉しいですけど。
という一枚。私は前作より気に入りました。アメリカンへの憧憬を保ちつつも程よく洗練、独自のロックを確立したんじゃないですか。まずこのセカンドから聴いてみるのもよいでしょう。
このあと貢献人の一人Pete Solleyが抜けます。代わって入ったのはBrian ChattonさんやTim Hinkleyさんといった、これまた腕利きの面々。楽しみだ!……と言いつつ、Snafu『ALL FUNKED UP』(1975)は未聴。本当は、SNAFUなんだから”Situation Normal, All F***ed” Up”まで揃えて聴かなきゃ中途半端なんですが。すみません。
<続く>