DON'T PASS MUSIC BY

ラーズ(メタリカ)が“RIOT Fire Down Under”のTシャツ着て御父上(92)と写真に納まってるのが超クール。

第59回「Automatic Man」(6)

 Automatic Man関連枠最終回。(作品は前回の続き。)

 

Various Artists『THE DUTCH WOODSTOCK』(2013)DVD+Audio CD

【DVD曲目】

  1. Santana「Gumbo」
  2. Al Stewart「Zero She Flies」
  3. Canned Heat「Human Condition/ The World's In A Tango/ So Sad」
  4. Quintessence「Giants」
  5. Jefferson Airplane「Won't You Try/ Saturday Afternoon」
  6. It's A Beautiful Day「Wasted Union Blues」
  7. Pink Floyd「Set The Controls For The Heart Of The Sun」
  8. Country Joe And The Fish「Oh Freedom」
  9. Dr. John and the Night Trippers「Mardi Gras Day」
  10. Family「Drowned In Wine」
  11. It's A Beautiful Day「Bulgaria」
  12. T. Rex「By The Light Of The Magical Moon」
  13. The Byrds「Old Blue」
  14. The Flock「Big Bird」
  15. Soft Machine「Esther's Nose Job」
  16. Jefferson Airplane「White Rabbit/The Ballad Of You And Me And Pooniel」
  17. Santana「Savor / Jingo」
  18. Pink Floyd「A Saucerful Of Secrets」

 さて、他にも見どころはいっぱいあるよ。

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 私としてはまずCanned Heatに触れぬわけにいかん。当ブログでもだいぶ昔に熱烈紹介しておいた(第4回「Canned Heat」(1))"最高のグループ"の、黄金時代がとらえられているのであります。個人的に一番好きなヒート・ナンバーの一つ「Human Condition」のライヴが観られるんだからありがたや。

 ほどなく亡くなってしまうAlan Wilson(Gt, Vo)の雄姿をとらえたドキュメントは、合間にオランダの風車の居並ぶ風景も挟み込まれる味わい深さ(観たらわかります)。そしてその後には、必殺の長尺ブギー「The World’s In A Tango/So Sad」が炸裂。こちらは熊さんBob Hite Jr.がリード・ヴォーカルをとって、バンド一丸で聴衆を乗せまくり。Canned Heatも(Santanaと同様に)ウッドストックでの伝説的パフォーマンスがありますが、私は紙一重でこちらの方が好き、かも。

 

 インド音楽を取り入れたプログレ(?)のQuintessenceの「Giants」が観られるかと思うと、It’s A Beautiful Dayの「Wasted Union Blues」や「Bulgaria」が聴けたり、Jefferson AirplaneThe Byrdsが堂々のステージを披露してたりと、全体としてはサイケデリック・ロッカーのフィーチュア度が高いように感じますな。

 Dr.Johnが暗闇の中で明るい呪術ナンバー(?)を繰り出すなんていうのもありますし、T.Rex(こうクレジットされてますが、正確には当時はまだTyrannosaurus Rex)の「By The Light Of The Magical Moon」が挟まれたりもしますけど。

 

 個人的に興味あるのはPink FloydSoft Machine。70年ならいずれもサイケ・バンドというよりはプログレの担い手だったと思いますが、如何にと。ピンク・フロイドは「Set The Controls For The Heart Of The Sun」・「A Saucerful Of Secrets」(ともにアルバム『A SAUCEFUL OF SECRETS』所収)を披露。前者は、やっぱり(このフェスに合わせてか)呪術的なインストで、思いの外Nick Masonのワイルドなドラミングが面白い。後者はまさしくピンク・フロイドの世界ってやつで、彼らから『原子心母』やら『狂気』やらが生まれてくるのも納得の(?)好演。決して個々のプレイヤーがテクニカル、ってわけではないのですが、この吸引力は凄い。

 

 Soft Machineは、セカンド・アルバム収録だった「Esther's Nose Job」をサードアルバム時のラインナップでやってました。Robert Wyatt(Dr)さんの動く姿をまじまじと観られて幸せ。シンプルなドラムセットから、実にカラフルな音が出てくるんだよなあ。サングラスに革ジャンの立ち姿が“Steppenwolf(っていうかJohn Kay)みたい”なMike Ratledge(Org)さんのフリーキーなオルガンも、画付きで観ると一層楽しい。ニコリともしないでスコアをめくりながら吹きまくるElton Deanさん(Sax)や、John Entwistleバリに「微動だにしないのに音だけは物凄いことになってる」Hugh Hopperさん(Ba)……どういう集団なんだ。音だけ聴くより面白いことは間違いなし。

 

 あ、一つ忘れてた。The Flockっていうグループのパフォーマンス(「Big Bird」)もポイント。カントリータッチのフォーキー・ロックは、それだけなら私の理解の外なんですが、やけに目立つ若きヴァイオリニストが……後にMahavishnu Orchestraで名を馳せ、いずれSteve Morseさんの御仲間になるJerry Goodmanさんなのであった。これは観とかないと!

 

 とまあ、いろいろ楽しめます。音楽的にはサイケやプログレ、フォーク好きの方におすすめかな。(部分的にはYoutubeなんかで観られるのかもしれぬね。)あと、1970年夏の時点でのカルチャーがわかるのも歴史の勉強になる。オランダの聴衆のノリ方とか、ファッションとか、お酒・drug事情(?)とか。

 

 例によってわき道にそれましたが、本題は“動くMichael Shrieveを観よう!”でございました。まずはそれだけでもよろしく。

<完>