その後手に入れたベスト盤がこちら。
Zebra『IN BLACK AND WHITE:The Best of Zebra』(1998)
- Tell Me What You Want
- But No More
- Better Not Call
- Bears
- The La La Song
- Lullaby
- Hard Livin' Without You
- One More Chance (demo)
- Children Of The Heart (unreleased)
- Time
- Take Your Finger off My Hair (demo)
- Wait Until The Summer's Gone
- Riverside (demo)
- As I said Before
- Who's Behind the Door
- Your Mind's Open
<メンバー>
Randy Jackson(Vo, Gt, Key)
Felix Hanemann(Ba, Key.Vo)
Guy Gelso(Dr, Perc, Vo)
2・4・6・12は前回紹介のセカンド・アルバム『 NO TELLIN' LIES』(1984)から。
1・5・8・11・14・15がファースト・アルバム『ZEBRA』(1983)から。ただし、8・11はデモ・ヴァージョンとのこと。
3・7・10・16は『3.V』(1986)から。
9・13は未発表曲(だと思います)。
1「Tell Me What You Want」は彼らの代表曲の一つのようです。ランディ・ヴォーカルの個性を強調しつつも、楽曲の構造は正統的なメロディアス・ハード・ロック。5「La Song」がLed Zeppelin「The Rain Song」を意識してるのかは存じませんが、ちょっと凝った曲なのは確か。終盤結構テクニカルにも攻めます。
8「One More Chance」(demo)は、ドラムの音が些かポコポコしてるのを除けば、完成度は高い。こういう疾走感は80年代ものじゃないと得られないし。7分半以上ある11「Take Your Fingers from My Hair」も意欲作ですが、キーボードのかぶさり方が少し単調かな。セカンド・アルバムではこの辺がもっとこなれてきます。短い14「As I Said Before」ではトリオの弾力的なリズム構築力を満喫。15「Who’s Behind the Door」はアコースティック・ギターの使い方がイイ感じです……これもジミー・ペイジにまなんだと思しいですが、うまく昇華してる。
3「Better Not Call」はほどよく走るハードポップ。ランディは高音を控えめにして歌ってますね。7「Hard Livin’ Without You」はキラキラした鍵盤多めのやはり些かポップなナンバー。一方、10「Time」はLed Zeppelinの大曲を範としたようなシンフォニック・ソング。ランディのアコギ遣いはやっぱりペイジにルーツがあることがすごくわかる。3では封印してたハイトーンも活用。本ベスト盤を締めくくる16「Your Mind’s Open」は爽快なコード展開と美旋律の一曲。
9「Children Of The Heart」は、ヴァースの一部で対位法的な演出が加わるなど、得意のハードポップ・ソングに一捻り加えた未発表曲。13「Riverside」(demo)もここでしか聴けない(と思われる)、アコースティック・ギターと歌だけの(ただし多重録音あり)ナンバー。前回最初に言及したRandy Jackson版「Carouselambra」(Live)の雰囲気に近いのはこれかもね。
というわけで、これ一枚でもかなり満腹になってしまうのだった。
<続く>