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Coven「Black Sabbath」(『WITCHCRAFT DESTROYS MINDS & REAPS SOULS』1969)
「オズボーン」なんていうメンバーがいるバンドの「Black Sabbath」。英国のBlack Sabbathよりも世に出たのはこっちが先(1969)だったりする。ただし音像はメタル原型というよりは、「サイケ(Psychedelic Rock)」ですね。女性ヴォーカルJinx Dawsonの呪術的歌唱(?)は、西海岸ロック(というかJefferson Airplane)っぽい。
このアルバムの最大の聴き所は、実は、10曲目の「Satanic Mass」。13分強にわたる“黒ミサ実況”でございます。“♪Hail Satan !”(!)さらにブックレットの写真も一緒にご覧になると……「何やってんだお主ら」。マジなのかコケオドシなのか?ロックに残る珍品ではありましょう。
それ以外はちゃんと「曲」でして、いま聴くと時代を感じるフォーキーなサイケ・ロック。ただし「Black Sabbath」の場合ではたとえば、1分28秒辺りから2分04秒の間の魔術風パート(?)はおどろおどろしい。その直後に疾走パートに入って、終盤また呪術を掛けて終わってしまう……アブないナンバーではあった。
こんな奴らが単発で終わらなかったという1970年代がおそろしい。そして、数年前には魔女ジンクス様がメンバーを集めてCovenを動かし始めたっていうのはもっとおそろしい。