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時代の産物を追う?〔続〕(14)

 2018年のハーヴェスト之一!

(4)James Williamson and the Pink Hearts featuring Frank Meyer and Petra Haden『BEHIND THE SHADE』(USA)

 Iggy Pop & the Stoogesでお馴染み、轟音ギタリストJames Williamsonのニュープロジェクト。

 

  1. Riot On The Strip
  2. Judith Christ
  3. Pink Hearts Across The Sky
  4. You Send Me Down
  5. Destiny Now
  6. This Garden Lies
  7. Purple Moon
  8. Miss Misery
  9. The Revolution Stomp
  10. Behind The Shade

<メンバー>

 James Williamson(Gt, Ba)

 Frank Meyer(Vo)

 Petra Haden(Violin, Vo)

 Michael Urbano(Dr)

 他

 

 

 軽快な(というには意外にギターの音がエグいですが)ロックンロール「Riot On The Strip」からスタート。ベースはJason Carmerさん、キーボードはGregg Foremanさん、フランク・ペトラ両氏がヴォーカルとのこと。リフの組み立て、コードの運び等、Iggy Pop & The Stoogesの風格がありますな。たどたどしい(?)ぶん存在感のあるギターソロも良いです。

 

 フランクさんの熱唱が聴ける「Judith Christ」では、ジェイムズ自身がベースも担当。Hervé Saltersさんの鍵盤が70年代パンクっぽい(?)味わいを醸し出しております。この曲でも、ジェイムズのソロが長めに楽しめますね。

 

 アコースティック・ギターの掻き鳴らしから始まって、ゆったり進む「Pink Hearts Across The Sky」のリードヴォーカルはペトラさん。ご本人によるヴァイオリン・プレイもフィーチュアされています。

 

 交替してフランク歌唱となります、弾むロック「You Send Me Down」。ちょっとイギーの「Lust For Life」っぽいリズム(?)。この曲ではGeoff Yeaton・Tony Peebies両氏のサックスが聴かれます。

 

 再びヴァイオリンが入る「Destiny Now」、ダブルヴォーカルですがPetraメインかな。テンポがゆっくり目な分スケールの大きさも感じるこの曲、ジェームズによるベースがいい仕事をしてたりします。

 

 曲ごとにリズム・パターンを変えてくる本作ですが、トニーさんのサックスとSteffen Kuehn氏のトランペットが入る「This Garden Lies」もおもしろい。フランクの暑苦しい(褒めてます)歌唱+ホーンの炸裂でホットなナンバーになっております。

 

 Michael Urbanoさんて人、知らなかったけど、結構な腕利きなのでは……?と思っていると、次の曲は彼の短いドラムフィル(ソロ)から始まりましたよ。ややヘヴィでロック色の濃いナンバー、お得意のゴツゴツしたギターソロも含めて、人力感満載なのが嬉しい。

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 一転してアコースティック・ギター主導の「Miss Misery」はメジャー調のポップなナンバーですが、デュエットヴォーカルが最も効いていると思います。Don Rooke氏のラップ・スティール・ギター、Paul Rossier氏のピアノ、ジェフのサックス入りでバッキングも分厚い。

 

 イギーっぽいロックンロールはあんまりないんだね、と思っていると次がそういうのでした。フランクが歌う「The Revolution Stomp」、ジェイムズ・ギターが勿論主導しますが、グレッグのキーボード(古風なオルガン系)が全編にまぶされているのが良い感じ。

 

 タイトルトラック「Behind The Shade」もダブルヴォーカルが用いられた(メインはフランク)壮大なナンバーで、ロックソングというより映画音楽かなんかっぽいような感じ。続く「Died A Little Today」(ペトラが歌う)がAudrey Vera氏のピアノやペトラさんのヴァイオリンを主としたしんみりした曲なのとあわせて、“ロックンロールではない”わけ。一曲目と何たる違い!James Williamsonと仲間たちの幅広さに感銘を受けること請け合いの、面白い作品でございました。

<続く>