ようやっと2017年作品へのコメントに片が付きました。遅い。続いて……
<2018年作品>
(1)Ace of Cups『ACE OF CUPS』(USA)
CD1
- Introduction: There's A Record Being Made
- Feel Good
- Pretty Boy
- Fantasy 1 & 4
- Circles
- We Can't Go Back Again
- The Well
- Taste of One
- Mama's Love
- Simplicity
- Feel It in the Air
CD2
- Interlude: Transistor
- Stones
- Interlude: Baby from the Forest of Knolls
- Life In Your Hands
- Macushla / Thelina
- As the Rain
- Interlude: Daydreamin'
- On the Road
- Pepper in the Pot
- Interlude: Breath
- Indian Summer
- Grandma's Hands
- Medley:The Hermit/The Flame Still Burns/Gold & Green/Living in the Country
- Outroduction: It's Always Safe ...
- Music
<メンバー>
Denise Kaufman(Ba, Vo, Harmonica)
Mary Ellen Simpson(Gt)
Diane Vitalich(Dr, Perc, Vo)
Mary Gannon(Claps)
+サポート&ゲスト
1960年代に活躍したという伝説の女性バンド、まさかの「初アルバム」。当時はアルバムを残さなかったそうなのですが、結成50周年(!)を機に再集結し、往年の楽曲や新曲を集めた「ファースト・アルバム」をお出しになられたのでした。
ちなみに私はこのバンド全然知りませんでした。ある専門店で特価品になっていたので「へえ?」と思って手に取ったといういい加減さ。60年代で女性オンリーのバンドというのは珍しいなと思ったくらい。聴いてみると……
イントロに続く1-2「Feel Good」は適度にハード程よくキャッチーなロックソングで素敵。手作り感ありというか、私好みの人力音楽じゃございませんの。リードを取るデニス・カウフマンさん、バックアップするメアリ・シンプソンさんともなかなかに溌剌とした歌い振り。サポートのJack Casadyさんによる躍動的ベースもグレイト。1-3は一転、中後期ビートルズ風の「Pretty Boy」でメアリさんとダイアンさんがリードヴォーカルを分け合います。
バンドのメイン・ソングライターはDenise Kaufmanさんのようですが、彼女が歌う次の「Fantasy 1&4」は程よい疾走感が心地好い。シンプルなギターソロもいいですし、Dan Sheaさんによるオルガンのバックアップも効いてる。かつてのオリジナルメンバー(Ba)ながら本作ではClapsのみ演奏となっているMary Gannonさんが加わった「Circles」は、Barry Melton氏がギターでサポート、デニスのハーモニカソロとギターでバトルを繰り広げます。テンポチェンジも巧妙なこの曲は、ベースもデニスさんがプレイ。リードヴォーカルはダイアン・ヴィタリチさん。
1-6「We Can’t Go Back Again」はデニスさんがメインで歌うアコースティック・ソング。Pete Sears氏のオルガンも雅な雰囲気を醸し出す。Grateful DeadのBob Weirさんを(ヴォーカルとギターで)フィーチュアした「The Well」は、バンジョーも入るカントリーフレイヴァ―入りの一曲。一方次の「Taste of One」はオルガンを除いてバンド(Ace of Cups)メンバーのみで録られたミドル・ソング。こちらはメアリ・シンプソンさんのスライド・ギターがいい感じ。
1-9「Mama’s Love」はCharlie Musselwhiteのハーモニカをフィーチュアしたブルーズ・ナンバー。(Mary Gannon作)アコギとドブロでKen Emersonさん、エレクトリックギターでJorma Kaukonenさん(Jefferson Airplane)が参加してますが、チャーリーのプレイがやっぱり耳を引きますかね。引き続いてヨーマさんがギターで加わった「Simplicity」は、物悲しい雰囲気。1分40秒辺りまでスロウで悲し気なんですが、その後疾走を始め曲調が変わって(ツインギターのソロも有り)盛り上がっていき、最後はまた冒頭のテンポに戻って終わる。Led Zeppelinの「Stairway to Heaven」の様式美ですな(?)。そして一枚目ラストはピアノやメロトロンも入るゆったりした「Feel It in the Air」、メアリ・ガノンさんがリードを取ります。この曲も後期ビートルズ(というか『ABBEY ROAD』)っぽい味わい有り。
<続く>