DON'T PASS MUSIC BY

"Louis XIV, finesse and force......."<Chroming Rose>

時代の産物を追う?〔続〕(2)

<2017年作品>

(1)Dave Davies & Russ Davies『OPEN ROAD』(UK)

  1. Path Is Long
  2. Open Road
  3. Don't Wanna Grow Up
  4. King of Diamonds
  5. Forgiveness
  6. Sleep on It
  7. Slow Down
  8. Love Has Rules of Its Own
  9. Chemtrails

<メンバー>

 Dave Davies

 Russ Davies

 

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 The KinksのギタリストDave Daviesが、息子さんRussと共作したという作品。キンクス関連は何でも欲しい小生、スルーは出来ませんでした。

(アルバムジャケット向かって右側がデイヴ。)

 

 キンクスっぽさは薄めかな。1曲目の「Path Is Long」から穏やかな感じで……デイヴおじいちゃんの歌声と歌いまわしは独特ですけども。「Open Road」はエレクトリックギターのリフも聴けますが、執拗なリフレイン(リズム)が魔術的なところにこそ味。ピアノ入りの「Don’t Wanna Grow Up」あたりは、途中で爽快なコードにひらけていくあたりにデイヴ・ソロ作品のテイストがあるかな。ドラムが素朴な人力風味なのも我が好みには合うね。“♪Lalalala~, I don’t wanna grow up~”って、デイヴ以外が歌ったら悪い冗談だけど、パンク以前のパンクみたいな彼が老境に入ってそう歌うからこそ妙な説得力が。

 

 大仰な展開をもつ「King of Diamonds」なんかを聴いていても、やっぱり兄弟で個性が違うんだねえ、Ray Daviesとは味わいがまったく別ですよ。二人ともいわゆる「上手い」シンガーじゃないけど、聴くとスグわかる歌声。ヒューマンな温か味とシニカルな冷たさが同居してるんだけど、配合と表現が違うんですよ、うまく言えないけど……。「Forgiveness」は、比較的80年代キンクスっぽいバラードかな。短いけどギターソロも聴ける。人力ドラムビートがリードする次の「Sleep On It」でも、中盤で渋いギターソロが披露されます。

 

 「Slow Down」は、Larry Williamsじゃなくて、彼らのオリジナル。エレクトリックとアコースティック、躍動的なビートと壮大なオーケストレーションをそれぞれ組み合わせた意欲作。シンセ・ソロからのギター・ソロも美味しい。アコースティック弾き語りの「Love Has Rules of Its Own」は、音像的には穏やかなんですけど、デイヴお得意の歌いまわし“♪Lalalalala~”がそこはかとなく聴き手を刺激する。最後の「Chemtrails」は、ダンサブルな電子リフレインからスタート……するけど途中からテンポを落として物悲し気に展開。明るいのか暗いのかわかんない不思議な触感はデイヴィス父子の思惑通りなんでしょうか。こちらも後半にギターソロがフィーチュアされてました。

 

「ロック!」じゃないんですけど、ちゃんとデイヴお父さんの歌声とギタープレイが堪能できる、意外にも楽しめる作品なのでありました。

<本作完、特集は続く>