CDも見つかった。紹介しときます。
Spizzenergi『SPIZZ NOT DEAD SHOCK !(1978-1988 A Decade of Spizz History)』(1996)
- No Room
- Red & Black
- Where’s Captain Kirk ?
- Spock’s Missing
- Soldier Soldier
- Mega City 3
- Jungle Fever
- Central Park
- Work
- Amnesia
- The Meaning
- Virginia Plain
- 6000 Crazy
- Cold City
- 1989
- Platform 3
- Solarisation(Shun)
- Pure Noise/Alien Language/P.F.H.
- On My Own
- Where’s Captain Kirk ?
- Living Is Better with Freedom
- Three Lions in the Sky
ベスト盤。Spizzenergi名義になっていますが、実際は1978年のSpizzoil→1979年のSpizzenergi→1980年のAthletico Spizz80→1981年のThe Spizzles→1982年のSpizzenergi:2→1987年のSpizz→1988年のSpizzorbitまでの十年間――ユニット名を毎年変えてんのがイカレてる――のキャリアの中から、選び抜かれた(のかどうか知らん)楽曲で構成。というか、私が駆けずり回ってもこれしか手に入らなんだ。
時代順に申しますと一番古いのが(13)(15)、次いで(14)(16)(17)。Spizzoil名義で、Spizz(Vo)+Pete Petrol(Gt)+Frank Guest(Perc)によるもの。(13)「6000 Crazy」が記念すべきファーストシングルということになりますな。例の“で・れ・れ・だー・だー”リフですよ。ギターとヴォーカルだけ(途中に妙なSEみたいのが入るが)の強引な一曲でございます。その裏面かな、(15)「1989」もリフと歌メロが連動する変な曲。
これらに比べると、(14)「Cold City」は、パーカッションも加わって聴きやすく……なってねえな。なんか唐突な展開やら変なビーム音やらで混乱させられるんです。(16)「Platform 3」も同様のスタイルだけど、リフの醸し出す疾走感は悪くない……といえなくもない……かも。(17)「Solarisation(Shun)」はこれまでで最も実験的な雰囲気かも。サイレン音を模してんのかなっていうリフに、ポンツクいってるパーカッション、あやしい呪文みたいなヴォイス。たぶん、たぶんですけど、何かSF的な世界観を表現してるんじゃないですかね。ついて行きづらい世界ですが。(18)「Pure Noise/Alien Language/P.F.H.」はBBC音源らしいんですが、1978年というクレジットがあるのでSpizzoil時代かと思われます。これは一層奇っ怪なサウンド。
次のブロックが、1979年のSpizzenergi時代。ここにあのヒット曲(?)(3)「Where’s Captain Kirk ?」が生まれます。Spizz(Vo)+Jim Solar(Ba)+Pete Petrol(Gt)+Dave Scott(Gt)+Mark Coalfield(Key)+Brian Benzine(Dr)。他に、(5)「Soldier Soldier」、(10)「Amnesia」、(12)「Virginia Plain」も同時期の作品。Peteも引き続き参加してますが、楽曲のクレジットを見るに、Coalfield氏の貢献が大きいと見た。
「Where’s Captain Kirk ?」は、Spizz作品でなんか一曲だけ、っていうならコレを聴けっていう楽曲ですが、Spizzoil時代と比べるとだいぶ整合的なロックソングになってます。キメごとにドラムが立ち止まるのが個人的に好き。みなさんもぜひどうぞ。
「Soldier Soldier」は、以前ご紹介のライヴでもやっていた曲ですが、キーボードがかなり活躍する曲。「Amnesia」は、ギターが主導するリフロックでまずまずの疾走感。“ダンダカダン!”っていうドラムもよい。「Virginia Plain」はRoxy Musicのカヴァー。私はなんと、本家より前にコッチを聴いちゃいました。ブライアン、ごめんなさい。オリジナルもちょいと不思議な曲ではありますが、彼らもMark Coalfieldの鍵盤を中心に(但しスピードはアップ)頑張ります。
「Red & Black」はもとはSpizzoilの曲ですが、本コンピには1979年のBBCヴァージョンが入ってます。鍵盤がしっかり入っているので、oil時代でないのは確か。最初期の怪しい楽曲ではありますが、鍵盤と太鼓が入るだけでこんなに整合的になるかね。意外にも聴きやすいのです。
<続く>