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"Happy trails to you, till we meet again......"<Quicksilver Messenger Service>

第51回「Spizzenergi」(2)

 SpizzenergiのライヴDVD。続き。

Spizzenergi『WHERE’S CAPTAIN KIRK ?:Spizzenergi Live』(2005)

  1. 6000 Crazy
  2. Mega City 3
  3. No Room
  4. Soldier Soldier
  5. We Want the World
  6. Central Park
  7. Red & Black
  8. Energy Crisis
  9. Spock’s Missing
  10. Where’s Captain Kirk ?
  11. The Model

<メンバー>

Spizz(Vo)

Dave Scott(Gt)

Simon Kinder(Gt)

Matt Broughton(Ba)

Jeff Walker(Dr)

Cathy Tozer(Cho)

Sam Wilkins(Cho)

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 次の「We Want the World」はここまでのパンク系楽曲とは趣の違うメロディアスなポッピーソング。Jeff Walkerの生み出すゆったりグルーヴが心地好い。にしても、この客席の微妙な反応はなんですかね。フェスティヴァル形式ゆえ、彼らの熱烈なファンばかりでないというのはわかるが……前方の数名くらいしか“わあー!”と盛り上がっていないのが正直寂しい。

 

 しかし!スピッツ魂はそんなことではくじけないのだ!御大はノリノリなんだよね。器楽隊の男どものさえない表情はオーディエンスがどうとかではなくてデフォルトだろうしね。Spizzが、ファーストアルバム制作時のメンバーとしてギタリストの片方(Dave Scott)を紹介。短髪白髪半ズボンのおじさん……の刻むジャキジャキしたリフで始まるのが「Central Park」。目立つのはベースラインなんだけど。

 

 やっぱりファーストアルバムから「Red &Black」、これまたDaveのリフからスタート。最初期楽曲の「変さ」「怪しさ」が堪能できる。オリジナルのテイクは鍵盤が入ってたんじゃないかな。XTCの「Beatown」からダンサブル要素を取り去ったみたいな……ってわかり難いですかね。コーラスの女声(特に向かって左のサム・ウィルキンさん)がタフで、サビではリードヴォーカルを喰わんとする勢いなのも愛敬がある(?)。おお、客席もようやくあったまってきたぞ。

 

 ベースの「ベンベン ベケベン」フレーズが引っ張る「Energy Crisis」は、サビのところで無理やり高速になる、やっぱり妙な曲。1980年のAthletico Spizz80名義のアルバム『DO A RUNNER』に入ってたみたいね。Spizzさんはね、作品ごとに名義をちょっとずつ変える芸風(?)だったんですな。Spizzenergi時代にちょっとヒット曲があるんでその名前が有名だけど、活動当初はSpizzoilって名乗ってたり、さっきのAthleticoナントカになったり、Spizzだけになったりね。

 

 アコースティック調に始まる「Spock’s Missing」では、冒頭でスピッツが聴衆に歌わせようと奮闘。客側のノリは微妙だが……。本編が始まると意外にキャッチーなこの曲、不思議な盛り上がりを見せるのであった。

 

 でもね、やっぱり最大のヒット曲「Where’s Captain Kirk?」は別格ね。おとなしかったフロアも急に動き出すし、スピッツも特性ジャケットを脱ぎ捨てて――オーディエンスに投げ込む!――Spizz顔入りTシャツで熱唱。あら、短く終わっちゃった。と思ったら、客を煽ってもう一回しですか。この曲のヴィデオを『PUNK AND ITS AFTERSHOCKS』で初めて観た時に受けた衝撃には及ばんが――あっちは、若くて細いSpizzがシンプルにカッコ良い――、名曲は名曲だ。いつだか「ベスト・スタートレック・ソング・イン・ヒストリー」とかいう評され方をされたそうなんですけど……「スタートレック・ソング」なんつうジャンルがあったのかね。

 

 アンコール的に演奏される「The Model」は、リズム隊のグルーヴ工場ぶりもよいが、なんといってもキャッチーなサビ“♪Lalalala lalalala lalalalala~”が耳に残って離れない。サムとキャシーのコーラスが調子っぱずれなのはわざとなんですかね?Ono Yoko風味さえあるぞ。ファットマンSpizzの存在感を最後まで押し出して終演。

 

 この映像でさえいまや23年も前のものですか。でも調べると、Spizzenergiってまだやってるみたいなんですよね。ちゃんとしたホームページも持ってるし。何かの間違いでいいですから来日しちゃったりしないかねえ。誰かがゲストで呼ぶとかさあ。と、無茶な要求を行って、締めましょう。

<続く>