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"But holy men and kings would die in the year Twenty Twenty-five......"<Satan>

第46回「Narita」(4)

 NaritaはHenrik・Mac・Kennyのメンバーで来日したことがあるそうで(1994年5月)、和田誠氏の番組でアコースティック・ライヴも行ったそうです。観てみたかった。

 

Narita『LIFE』(1996)

  1. I’m So Blind
  2. Second Chance
  3. Life
  4. Borrowed Time
  5. White Man’s Law
  6. Where’s The Wonder
  7. Tough Criminal
  8. After You’re Gone
  9. How Come I
  10. Talking To The World

<メンバー>

Henrik Poulsen(Gt)

Mac Gaunaa(Gt)

Kenny Lübcke(Vo)

Allan Sørensen(Dr)

 +

Carsten Neumann(Ba)

Andre Andersen(Key)

Flemming Rasmussen(Recording, Mixing)

 

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 アディショナルのベーシストが変わった以外は同じメンバーで、バンドは安定したかに見えましたが、Naritaとしては最後のアルバム。今作もRoyal HuntのAndre Andersenが協力。また、前作・今作の制作にフレミングラスムッセンが関わっていますが、氏は、デンマークPretty Maidsのほか、Blind GuardianChroming Rose、そしてMetallicaの作品などを手掛けている巨匠。いい音です。

 

 1曲目は、いままでありそうでなかった疾走リフで始まる「I’m So Blind」。歌のパートになるとテンポチェンジでミドルになるので、従来路線かと思いきや、コーラス“♪I Lost my senses, I’m a mess ‘cause Love has made me blind”っていう部分で疾走するので爽快感有り。間奏も疾走しつつ、ギターソロ(Macソロ→メロディ→Henrikソロ→メロディ)を提供。ブリッジでスロウになってから、最後は再び突撃。なんか一曲紹介して手っ取り早く楽しんでもらうにはこの曲がいいかも。今でも時々無性に聴きたくなる。

 

 次のミドル「Second Chance」はKennyの歌唱を楽しむのに最適。ヴァースのところはウィスパリングというか抑えたヴォイシング、コーラスで朗々たる歌を披露、というコントラストが見事。4分前後のところでSwanなる人物のラップを短く投入するのも面白い。(やり過ぎないのがポイントですかね。)ギターソロはやはりマックのが流麗。

 

 タイトル曲「Life」はヘヴィなリフに導かれ、ケニーの十八番多重ヴォーカルも聴き所の重厚な一曲。こういうタイプの曲はあんまりなかった気がするね。ソロはヘンリック。順序が前後するけど、6曲目の「Where’s The Wonder」もそういう感じかな。そっちのソロはマック。

 

 ピアノで始まり、アコースティック・ギターが受け継ぐ「Borrowed Time」。ケニー作詞のシリアスなバラード。“♪We’re heading for catastrophe, I see it all so clear. We all live on borrowed time, time is our greatest fear.”とね。その箇所のあとに、アンドレの短いピアノソロ有り。ギターソロどころか、エレクトリック・ギターの出番も無し。

 

 一方、次の「White Man’s Law」は、前作の「Stop The World」や前々作のスタイルを受け継ぐようなNarita様式美。基本的にはミドルでありながら、コーラスの箇所で疾走し出すスリリングさが堪らない。“It’s not right, it’s not fair. But it’s the white man’s law……”という箇所ね。歌詞も痛烈。珍しくメロディ・フレーズをマックが弾いた後ヘンリックがソロを取る構成。二人ともアーミングを結構効果的に使う人ですね。

 

 ヘヴィに歩む調子の「Tough Criminal」の重苦しさは、歌詞のテーマから来るものかもしれません。ヘンリックからマックへのソロ・リレーも、今回ばかりは爽快感を排して陰鬱に。

 

 次の「After You’re Gone」もアコースティック・ギター伴奏のバラード。1分30秒辺りから調が変わって展開するあたりは、ロイヤル・ハントでも出てきそうな味わい。ヘンリックがエレクトリック・ギターで速弾き抑え気味のソロを奏でるのも、“Sadness in the air. I prayed to God, you would open up your eyes…….”というレクイエムにはふさわしいのやも。

 

 重い曲が続きますが、「How Come I」もヘヴィ・ソング。ケニーの詞は、ユーモアとかファンタジーとかとは縁遠いようで、概してシリアス目に。“♪I hope my life is gonna change, and give me back reality. Give me a chance, set me free.”で結びですからね。間奏のところのベースとドラムはなかなかいい仕事。マックのソロをうまいこと支えてますね。

 

 ラスト、「Talking To The World」もミドルテンポのナンバーですが、Bメロの“I have reason to believe……”のところは、Naritaらしいメロディで心地よいんですが、歌詞が“The leaders of this earth, they don’t care for you and me.”と続くのでした。ただその後に“But it’s a consolation. The next generation will know right from wrong.”という「希望」も述べられますが。マックのソロを聴きながらフェイドアウト

 

 後半ヘヴィな曲が続くのが少々バランス的に気になりますが、個々の曲の仕上がりは矢張り過去最高。自らの個性にはこだわりながら、アルバムごと楽曲ごとに少しずつ新機軸を入れる生真面目さも好印象。歌良し、演奏巧し、歌詞深しと三拍子そろったいいバンドだったのですが、彼らの歴史はこれで幕。のち、Henrik PoulsenはPrime Timeでの活動を開始します。

<続く>