DON'T PASS MUSIC BY

ラーズ(メタリカ)が“RIOT Fire Down Under”のTシャツ着て御父上(92)と写真に納まってるのが超クール。

どんぱす今日の御膳095

095

Jonny Lang「Lie To Me」(『LIE TO ME』1997)

 ジョニー・ラングさん。「若き天才ブルース・ギタリスト」、みたいな売り出しをされていた方です。実際ソロデビューアルバム『LIE TO ME』はリリース当時16歳くらい。なんという早熟。

 

 歌ってギターも弾くわけですが、これが15・6の小僧の声なの?渋い。周りの大人のサポートもしっかりしてるんでしょうけど、いきなり完成度の高いアルバムを出したんですな。早熟ブルーズ・ギタリストとしてはShiggie Otisに匹敵するんじゃないの。

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 本アルバムには「Good Morning Little Schoolgirl」のようなブルーズ・クラシックも少々入りますが、オリジナル曲の出来が良い。特にアタマのタイトル曲「Lie to Me」は、クラヴィネット演奏でもこの曲に参加するBruce McCabe(とDavid Z)の作曲で、程よくブルージー程よくキャッチーな配合の佳曲。上述の老成ヴォーカル+堂に入ったソロでジョニーの見せ場も十分。

ロックンロール青果店(24)

(24)Santana「Gumbo」

 実は以前“動くマイケル・シュリーヴが観られるよ”ってんでご紹介したDVD『THE DUTCH WOODSTOCK』(2013)の中にも入っていた曲。1970年6月の実況録音でした。ホットなインストゥルメンタル。(第59回「Automatic Man」(5

 

で、「Gumbo」って、「オクラ」のことだそうですね。(「okra」も英語ですが。)歌詞のない曲なんで、何ういう意味なのかはよくわからないのですが。

 

 CDで聴けるのはどれかなと思って探すと、いまだと『SANTANA(Ⅲ)』(1971)がありますね。2006年に出たLegacy Editionていう2枚組ヴァージョンには、未発表のスタジオ録音版と、71年7月4日フィルモア・ウェストでのライヴ版がそれぞれ入っています。

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 ハードロック・ファン(わたし)にとって楽しいのは、この時期バンドSantanaのリード・ギタリストとしてNeal Schonが居たこと。「Gumbo」でも弾いてる、はずです。カルロスとニールがネチっこく弾きまくるのが素晴らしい。独自のファンクネスが堪りませんな。アルバム本編冒頭の「Batuka」や、「Jungle Strut」などでもこの超個性的ツイン・ギターが満喫できますので、このアルバムはハードロック好きにもお勧めできます。もちろん、スーパードラマーMichael Shrieveが最高なのは言わずもがな。

 

 後にここからGreg Rolie(Vo, Org)とNeal Schon(Gt)が巣立って(?)Journeyがスタートしたのは有名な話。さらにしばしの時を経てNealとMichaelがサミー・ヘイガー(Sammy Hagar)とケニー・アーロンソン(Kenny Aaronson)を巻き込んで超絶ハードロックバンドHSASHagar, Schon, Aaronson, Shrieve)で作品を残したことも忘れちゃいけない。

 ……という事で、まずはみんなで「Gumbo」を聴いて和みましょうや。

どんぱす今日の御膳094

094

The Four Jones BoysTutti Frutti」(『THE BIRTH OF BRITISH BLUES』2015)

 「トゥッティ・フルッティ」って、“刻んで砂糖漬けにした果物が入ったアイスクリーム”のことなんだそうですね(元はイタリア語とか)。食べてみたい……

 

 ではなくて、こちらは、ご存知Little Richardの名曲。これ、他の誰が歌ってもなぜかサマにならないむずかしい曲なんですよね。Elvis PresleyAlex HarveyFleetwood MacMC5Lord Sutchなどのヴァージョンが手元にありますが、リトル・リチャードのオリジナルには(やっぱり)敵わないなあ。

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 ところが先日音源整理をしていたら、今回のが出てきました。英国のヴォーカル・グループThe Four Jones Boys版。1956年録音ということなので、リトル・リチャードの原曲が出てからすぐにカヴァーされたことになりますか。強烈なバック・ビートがR&Rの基礎を作ったオリジナル……とはガラッと装いを変えて、スウィング・ジャズ+多重ヴォーカル(doo-wop?)の異色ナンバーに。どうせやるならこれくらいに至ると面白いですな。

どんぱす今日の御膳093

093

John Lennon「Cold Turkey」(LENNON LEGEND』1997)

 今回はちょっと長めになります……

 私がビートルズのことを知ったのは中学生のときで、先生が授業の時に紹介された「Yesterday」がファースト・コンタクトだったと思います。「ものすごい衝撃を受けた」……ってことは実はなかったんですが、ビートルズっていうグループはマニア心を刺激するというか、「もっとこの人らのことを知りたい」と思わせる存在だったんですよね。1990年代半ばの話ですから、まるでリアルタイムではないし、別に世間でブームになってるわけでもありませんでしたが。

 

 で、類は友を呼ぶじゃないですけど、同級生の中にもぽつぽつ洋楽マニアみたいな少年がいて、情報交換(その当時は私は教わる方が多かったですか)するわけですよ。「ほかにこんなアルバムや曲がある」みたいにね。ある友人には、『THE BESTLES』(ホワイト・アルバム)や「Maxwell’s Silver Hammer」(ABBEY ROAD)など、ポップなヒットというよりも、後期の実験色ある曲群を仕込まれまして、おそらく私の後期ビートルズ好きはそのせいです。で、「ビートルズは1970年に解散した」っていうのは知ってましたが、その後のメンバーの活動についてもいろいろ聞くわけですよ。自分で本を探して読んだりもしましたが。

 

 そういう中で出くわしたのが、John Lennon「Cold Turkey」でした。厳密にはビートルズがまだある時期(1969年)にリリースされた、初の「John Lennon名義の」曲(シングル)。「それまでは共作でなくてもすべて“Lennon-McCartney”名義としてきた」ので、“画期的であった”というのも、本(たしか香月利一氏著『もっとビートルズ)で知っておもしろいと思いました。

(それより前の「Give Peace A Chance」は、事実上ジョンのソロ作ですが、ながらく“Lennon-McCartney”とクレジットされていました。確か、この☟コンピから名義が“John Lennon”に直ったんだとか。)

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いろんな編集盤で聴けますが、こちらにも七面鳥が隠れて居ます


 肝心の曲ですが、歪んだギターに重いリズムのヘヴィ・ロック。徹頭徹尾不穏な雰囲気に、いやに叙述的な歌詞。ドラッグの禁断症状を執拗に歌った――私は「アンチ・ドラッグ・ソング」だと思っていますが――曲で、こんなのがリリースされて一般に聴かれていたなんて、純朴な少年だった私(?)は吃驚仰天でした。だって曲の終わりごろには、うめき声をあげながらのた打ち回る様な場面が出てくるんですよ?“♪No…no…no…”正直怖かった……

 

 逆に言えば、早い時期にこのくらいのものを聴いていたので、後にメタル野郎と化したときに、たいていのモノ(デス含む)では驚かなくなったわけで、ジョン・レノンには感謝しますが。さらに素晴らしいのは、ジョンがこの曲をステージでも演り続けたこと。彼には強固な信念があってやってたことだとわかるからです。「Imagine」や「Happy Xmas」みたいな路線は、ひょっとしたら継承出来る人も出る可能性がある――というか、二番煎じ三番煎じは実際あると思う――でしょうが、「Cold Turkey」の信念と表現力とロック心を受け継げた人はないんじゃないでしょうかね。これこそジョン・レノンという人が唯一無二の存在であることの証明だと無理繰り申してみましょうか。

 

 そこまでの精神性は別とすれば、単なる(といっちゃあなんですが)カヴァー・ヴァージョンはいくつかあります。Cheap TrickHollywood Vampiresが音源を残してるという話がウィキペディアに出ていましたが、私の手元にはUFO(モグ/シェンカー時代、1974年)のライヴ版がありました。オリジナルよりさらにテンポを落としたウルトラヘヴィ・ヴァージョン。マイケル・シェンカーのロング・ソロが聴けてHR的には満足度が高いですが、「のたうち回り」は再現されませんし、なんといってもフィル・モグもマイケル・シェンカーも(少なくともこの時点では)「アンチ・ドラッグの旗手」とは到底言えませんので、当然ながら本家とは別モノ。……とケチを付けながら時々聴きなおすんだけど。

ロックンロール青果店(23)

(23)Little Richard「Rice, Red Beans and Turnip Greens」

 昨年(2020年)亡くなったLittle Richardも、偉大な偉大なロックンローラーでした。当然吾輩リアルタイムで聴いてたわけではなくて、テレビドラマALFを夕方見てたらアルフが“♪Tutti frutti~”をいきなり歌い出したんで「なんだこの曲?」となって捜索の旅に出た次第……あとはダイクマ・ルートでこんにちは。

 

 スペシャルティ時代のロックンロール・クラシックが最高なのは言うまでもないことでございますが、それより前の時期にも彼は録音をしていて、たとえばこんな「米、小豆と蕪」(?)なんてのがあったと。Peacockレーベルに残された1954年のシングル「Always」(クレジットはTempo Toppers feat. Little Richard名義)のB面だったそうでございます。(私は『5 CLASSIC ALBUMS PLUS BONUS SINGLES』という2012年の4枚組廉価コンピで聴いています。)

 

 この「Rice, Red Beans and Turnip Greens」にしても、そのA面だった「Always」にしても、分厚いバッキングのついたR&Bといったところで、軽快なノリ、パワフルなサックス・ソロ、ゴスペル風味を増すオルガンの味わい……良いのですが、リトル・リチャードの歌唱は(うまいですけど)個性的というほどでない。

 

 この次に出た(Specialtyレーベル)1年後のシングル「Tutti Frutti」がいかに破壊的・革命的であったかというのは、今回の曲と聴き比べるとすごくよくわかります。Panteraのグラム時代とパワー・メタル時代くらい違う(?)。まあ要するに、偉業を成し遂げる人々にも往々にして前段や下積みはあるのだという教訓ですな。

 

 リトル・リチャードは、全盛期以降もなかなか面白くて、60年代・70年代の音源も見つけると聴いちゃいますな。1970年の『THE RILL THING』では、アノ必殺裏声をブッ込みながらThe Beatles「I Saw Her Standing There」をカヴァーしてたりして、最高なのよ。 

<続く>